“クラウドファースト”の今こそあらためて考えたい

クラウドがすべてではない!自社システムの在り方

2016.11.25 Fri連載バックナンバー

 一口にクラウドといっても、その利用形態はさまざまであり、自社にとってどれがベストなのか悩んでいるという企業は少なくないでしょう。そこで、NTTコミュニケーションズのクラウド・エバンジェリストである村上守氏に、企業としてどのようにクラウドに向き合うべきかを伺いました。

 

クラウドサービス選びの鍵を握るエコシステムの存在

 オンプレミスで運用している既存システムをクラウド化する、あるいは新たに開発する業務アプリケーションをクラウド上で運用するといった際、そこで利用するクラウドサービスの選定は悩ましい問題ではないでしょうか。

 現在、世の中には数多くのクラウドサービスが存在しているほか、提供されている機能や価格、あるいはサポートの内容などはそれぞれのサービスで異なります。また、実際に使ってみなければわからない部分もあり、どれが自社にとってベストなのかを見極めるのは困難です。

 こうしたクラウドサービスの選定において、1つの目安となるのは市場シェアではないでしょうか。多くのユーザーが使っていればそれだけ流通する情報も豊富になるほか、多くのパッケージベンダーが自社アプリケーションの実行プラットフォームとしてそのクラウドをサポートするようになります。また、そのクラウドで使うためのツールを提供するサードパーティベンダーも現れるでしょう。このようにして構築されたエコシステムは、クラウドを使うユーザーに多くのメリットをもたらすのは間違いありません。

 

パブリックからプライベートクラウドへの回帰も

 実際に大きな市場シェアを獲得し、独自のエコシステムを構築しているクラウドサービスとしてアマゾンが提供する「Amazon Web Services(以降、AWS)」が挙げられるでしょう。多くの企業がオンプレミスで使っているマイクロソフト製品との親和性の高さから、「Microsoft Azure」も急速にシェアを伸ばしつつあります。

 クラウドにとって不可欠なネットワークを保有している、通信キャリアが提供するサービスも存在感を増しています。そうした通信事業者の一社であるNTTコミュニケーションズで提供しているのが「Enterprise Cloud」であり、物理サーバー(ベアメタル)と仮想サーバーをハイブリッドで利用できるなどといった特長を備えています。

 IT環境のインフラとして、多くの企業がこうしたクラウドサービスを使い始めていますが、一方でコストなどの観点から自社で構築したプライベートクラウドに移行するケースもあると指摘するのはNTTコミュニケーションズのクラウド・エバンジェリストである村上守氏です。

 「クラウドはコストが安いと言われますが、ある程度の規模になると自社でプライベートクラウドを構築したほうが安くなるケースがあり、実際にパブリッククラウドから自社環境へ引き上げる企業もあります。さらにクラウドサービス間の競争もあるため、同じサービスを使い続けることがベストとは限らないでしょう。このため、いずれかのタイミングでオンプレミスに戻る、あるいは別のサービスへ移行するなどといったことを考えることはとても大切だと思います」

 

クラウドのネットワークは三面鏡で作る

 村上氏が指摘するように、特に大規模な環境においてはコスト面からオンプレミスで構築したプライベートクラウドが有利になる場合もあります。そのプライベートクラウドを構築する際、ネットワークレイヤにおいてプレーン分離の考え方を採り入れれば、耐障害性や冗長性を高められるとアドバイスします。

 「たとえば電話網は、発着信を制御するネットワークと、実際に音声を送受信するネットワークは分離しています。同じように、プライベートクラウドを構築するときには、… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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