“攻めのIT”を実現するためのIT基盤を構築する(第1回)

デジタル・トランスフォーメーション時代に勝つ条件

2016.11.22 Tue連載バックナンバー

 デジタルネイティブな顧客に向けてビジネスモデル、プロセスを抜本的に改革するデジタル・トランスフォーメーションが、市場の競争原理を大きく変えようとしています。突然、あなたの業界に異業種からライバルが出現し、新たなアプローチで顧客を「根こそぎ奪っていく」日が間近に迫っているかもしれません。こうした熾烈な競争を勝ち抜くために、多くの日本企業に従来のIT基盤の見直し、変革が必要であると提言するのは、アメリカのIT市場調査会社である451リサーチのケリー・モーガン氏です。彼女にデジタル・トランスフォーメーション時代の活路を拓くヒントを伺いました。

 

突然変異の「蝶」がビジネスにもたらす破壊的変革

 451リサーチでIT市場調査チームのリーダーを務めるケリー・モーガン氏は、デジタル・トランスフォーメーション時代に激変するビジネスを自然界の蝶にたとえて、こう説明します。

 「一般的な蝶は幼虫、サナギを経て誕生するのが普通です。一方で近年のビジネスでは、最初から蝶として生まれてくる突然変異も珍しくありません。そうした蝶は思わぬところから業界に出現し、新たな手法で従来のプロセスを破壊し、驚くべきスピードで市場を変革し、席巻します。これらの多くはデジタルネイティブに向けたWebベースのビジネスであり、非常に迅速かつ柔軟に対応できるクラウドベースのIT基盤を持っているのが特長です。

 しかし、それを迎え撃つ多くの企業では従来の物理的なIT基盤が足かせとなり、地面から飛翔する蝶を見上げることしかできません。デジタル・トランスフォーメーション時代の熾烈な競争を制するには、幼虫から蝶へ生まれ変わるIT基盤を軸とした変革の決断が必要になるのです」

 現在、新たなビジネスが旧来のビジネスを淘汰していくディスラプション(破壊的変革)がさまざまな業界で起こっています。わかりやすい例として、ケリー氏はスマートフォンを使って手軽に近くのタクシーが呼べる配車サービス「Uber」を挙げます。

 「長年、タクシーを捕まえるには通りで待つ必要があり、料金の支払いも現金が当たり前でした。不便を感じていた利用者も多かったはずです。そこに突然、利用者の不便を解消する蝶として舞い降りたUberは、タクシー業界に破壊的な変革をもたらす存在となりました。現在、Uberは自動運転や荷物を運ぶ試験なども行っており、実現すればタクシー業界だけでなく自動車業界、物流業界にも大きなインパクトを与えるでしょう。

 私たちの調査では、この破壊的な変革はあらゆる業界で同時多発的に起こっています。これらを牽引する多くは、クラウドベースのIT基盤を利用する新興企業です。彼らは突然変異の蝶として、私たちが予想もしない方法で業界を破壊し、変革していきます」

さまざまな業界で起きているディスラプション

 これら多くの新興企業のビジネスに共通するのは、ITの軸足がユーザーにまで伸びていること。それがサービスや商品の付加価値、満足度を高め、独自の競争力となっていることです。ここは、前提として押さえておくべきでしょう。

 

幼虫から蝶へと変革した3つの成功例

 突然変異で出現した蝶に立ち向かうためには、自らを幼虫から蝶へと変革させる必要があります。重要なのは突然変異の蝶から目をそらさず、きちんと動向に注目して気づきを見出すことです。ここでケリー氏は、すでに幼虫から蝶へと生まれ変わった3つの成功例に変革のヒントがあるといいます。

 「ひとつめは… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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