IT実務者のための「クラウド丸わかり」ガイド(第4回)

失敗しない!クラウド移行のポイント「3カ条」

2016.09.07 Wed連載バックナンバー

 最近のクラウドサービスは柔軟性が高く、オンプレミスとあまり変わらない環境で構築できたり、構築後の変更も容易だったりと、クラウド移行に対するハードルがずいぶんと下がってきています。それゆえに、十分な検討がなされないまま移行計画がスタートし、大きな壁に直面するケースも少なくなく、しっかり検討したつもりでも、後から「こんなはずじゃなかった」ということもあるようです。

 クラウド移行において外せない「3つの留意点」について、実際に移行、構築そして運用にかかわるIT実務者目線で、NTTコミュニケーションズのクラウドスペシャリストの稲穂敬夫氏がじっくりと解説します。

 

その1:実は制限だらけ!?移行プランを根本から覆しかねない「クラウドへのデータ移行」

 クラウド移行において注意すべき最大のポイントと言えるが、オンプレミスのデータをどのようにしてクラウドに持っていくかということです。既存の情報系システムあるいは基幹系システムなどを移行するといった場合にはしっかりと意識しなければなりません。

◇簡単にできると思っていた…データ移行はとても時間がかかる

 データ移行にまつわる問題のもっともシンプルな解決策は、ネットワーク経由でデータ転送することでしょう。確かにこの方法であれば手間はかかりませんが、移行するデータの量によっては、現実的な時間では移行できないという問題が立ちはだかります。

 特に大規模なファイルサーバーや大量のデータが蓄積されているデータベースなどの場合、ネットワーク経由での転送に数週間かかることもあり得ます。これでは業務に支障が生じるのは避けられないでしょう。短期的に帯域幅を拡張して転送速度を上げる方法もありますが、ポータルから帯域幅を柔軟に設定できるNTTコミュニケーションズの「Arcstar Universal One」のようなサービスでない限り、コスト負担の増大は免れません。

 そこでデータ量が多い場合に採られる手段が、データをコピーしたストレージなどの持ち込みです。VPNサービスでは帯域や遅延の問題からデータ転送に相応の時間がかかりますが、データセンター内のローカルネットワークを使えば迅速にデータを転送することが可能であり、インターネットやVPN経由よりも時間を短縮できます。とはいえ、すべてのクラウドサービスがデータの持ち込みに対応しているわけではないため、事前に確認しなければなりません。

 また、仮にネットワーク経由でデータ転送する場合でも、ストレージ製品のミラーリング機能を使う、あるいはデータベースのバックアップ機能を使うなど、さまざまな手法があります。クラウドに移行する際には、事前にデータ量を見極め、どのようにしてデータを移行するかを検討しておきましょう。

◇クラウド移行コストが増大する原因になり得る「IPアドレスの問題」… 続きを読む

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稲穂 敬夫

稲穂 敬夫

NTTコミュニケーションズ株式会社

NTTコミュニケーションズ クラウドサービス部に勤務。クラウドスペシャリストとして、技術・ビジネス双方の分野で、業界の動き、競合他社の動向、事例、制度、最新のクラウドに関する技術トレンド、アーキテクチャー等に通じ、さまざまな企業へ、クラウドを利用するための共通基盤化に関するコンサルタントとして従事している。

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