デジタル時代のビジネス創造を考える(第7回)

デジタル技術で顧客に寄り添う保険サービスへ

2016.10.04 Tue連載バックナンバー

 超高齢化社会を迎えた日本では、高騰する医療費への対策に向けて国ぐるみで健康寿命の延伸に力を入れています。こうした取り組みは各業界にも波及しており、生命保険業界においては、「健康応援企業」を掲げる損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険が画期的な決意を表明。その一環として、社員の健康維持や健康増進に役立てる施策を進めています。

 

「健康応援企業」として国民の健康づくりに注力

 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社では、2016年度からスタートした中期経営計画において、保険の枠を越えて健康に関する新たな価値を提供する「健康応援企業」への変革を表明しています。

 同社が始めに取り組んだのは、社員の一人一人の意識や働き方、生活習慣を変革して健康を増進する「健康経営」の実践でした。商品やサービスを提供する社員の健康意識を高めることで、国民の健康づくりを応援する基盤を築き、「健康」企業としてのブランディングを確立するというサイクルを回すことを目指しています。

健康応援企業へ向けたプロセス

 同社事業企画部 特命課長の三輪悟郎氏は「私たちの本来の使命は病気や入院時などに給付金をお支払いすることです。しかし、深刻な事態を招く前にお客さまの健康をつくるお手伝いができれば、お客さまの暮らしは豊かになり、私たちの支出も抑えられ、さらには国全体の医療費も抑制できるわけです。それが『健康応援企業』を名乗る私たちのチャレンジの背景にあります」と今回の取り組みを解説します。

 同社が健康応援を具体化する中で目を付けたのは、デジタル技術でした。とりわけ身に着けるだけで健康活動を可視化できるウェアラブル端末は、健康を見守る保険商品との親和性が高いと感じたと言います。三輪氏は「フィットビット社のウェアラブル端末は収集できるデータの項目数をはじめ、デザインや使い心地など、当社が求める条件を最も満たしていました」と経緯を語ります。

 同社が採用したフィットビット社のウェアラブル端末は、歩数、歩行距離、燃焼カロリー、運動時間、睡眠時間などを測定できるワイヤレス・リストバンドです。フィットビット社が提供する企業向け健康増進プログラムを併用することで行動データを収集し、個人はもちろん、部署、全社といった単位での健康管理が可能になります。

 「健康に関する商品やサービスとして提供するに当たり、まずは社員一人一人に健康に対する高い意識を持ってもらうことが先決だと考えたのです。そこで、約3,000人の社員を対象に本人の同意を得たうえで端末を貸与し、2016年4月より社員の健康維持・増進を応援するプロジェクトをスタートしました」(三輪氏)。この取り組みはまだ始まったばかりですが、保険適用の前段階となる「健康づくり」からのアプローチは、保険業界に大きなインパクトを与えました。

 

社員の健康づくりの先に見据えるもの

 社員の健康増進・維持を応援するプロジェクトの反響は社内でも大きく、開始時から約7割の社員の腕にリストバンド型の端末が巻かれました。その後も… 続きを読む

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Bizコンパス編集部/NTTコミュニケーションズ株式会社 澤井 邦記

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