デジタル時代のビジネス創造を考える(第6回)

介護業界に光明をもたらすビッグデータ活用

2016.08.24 Wed連載バックナンバー

 超高齢化社会を迎えた日本では、健康寿命の延伸、医療費の適正化などが深刻な社会問題になっています。また高齢者の増加に対して生産年齢人口が低下しており、介護の現場の人材不足も顕在化しています。こうした課題を解決するために、IT導入による業務の効率化を図ってきたのが群馬県高崎市でデイサービスなどを展開する株式会社エムダブルエス日高です。同社が母体となって設立した一般社団法人ソーシャルアクション機構では、施設利用者の身体情報やリハビリの履歴などをビッグデータとして解析し、介護予防や介護改善に活用する取り組みを進めています。

 

次世代型デイサービス運営から生まれたひらめき

 2000年4月より導入された介護保険制度により、それまで市町村が主導していた介護事業に民間の事業者が続々と参入。現在、全国のデイサービス施設は約42,000に達し、その数は大手コンビニ3社の店舗数を上回ると言います。一般社団法人ソーシャルアクション機構の代表理事である北嶋史誉氏は、介護業界の現状を解説します。

 「デイサービスの施設数や利用者が増える一方で、生産年齢人口が減少する日本において、介護業界は真剣な人材不足が続いています。いかにITを活用して業務の効率改善を図っていくかが重要です。患者さんのケアをしたくて介護の世界に入ってきたのに、雑務に追われるばかりで離職するケースは少なくないのです。雑務はITで自動化して、本来の業務に深く関われる魅力的な労働環境をつくることが大切なのです」

 エムダブルエス日高が運営する次世代型デイサービスは、定員300名を超える国内最大級の施設です。この施設では北嶋氏の提唱により、ITを使った「HOTシステム」により業務の効率化を進めてきました。介護保険施設には、日報、月報、利用者の家族に渡す連絡ノート、保険請求のレセプトなど、記録・申請する業務があります。それが職員の大きな負担になり、本来の業務を妨げとなることも少なくありません。北嶋氏は「HOTシステムは利用者の名札についたバーコードを読み込ませるだけで、すべての記入項目にデータが自動的に展開されます。それにより職員は、本来のリハビリといった処置や利用者とのコミュニケーションに集中できるようになるのです」と語ります。

 日高デイトレセンターは、職員が働きやすい施設であると同時に、利用者にとっても非常に魅力的なサービスを提供しています。国内外から見学者が訪れるこの施設が一般の施設と異なるところは、… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

Bizコンパス編集部/NTTコミュニケーションズ株式会社 土田 春香

Bizコンパス編集部/NTTコミュニケーションズ株式会社 土田 春香

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter