デジタル時代のビジネス創造を考える(第3回)

自分を知るメガネ「JINS MEME」の大いなる可能性

2016.08.03 Wed連載バックナンバー

 いまやメガネは視力矯正用の器具から、私たちのココロとカラダを正しく導いてくれるツールになろうとしています。2015年11月、株式会社ジェイアイエヌが発売したメガネ型ウェアラブルデバイス「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」は最新の学術研究に基づいたセンシング機能をメガネに搭載。眼の動きやまばたき、身体の動きをデータとして計測して生活に役立てる、新たなライフスタイルを提案しています。デジタル時代のビジネス創造について考察するシリーズの第3回は、メガネ型ウェアラブルデバイスJINS MEMEが誕生した経緯や各界からの反響、そこに秘める大きな可能性などを伺いました。

 

メガネ業界の風雲児が変えてきたもの

 かつて、メガネは数万円以上の価格が当たり前の高額商品でした。さらに、受け取りまでに時間がかかったり、料金体系が不明瞭であったり、品ぞろえが少なく希望のデザインが見つからなかったりすることもありました。2001年、このような問題を解決すべく、アイウエアブランド「JINS」を掲げて、メガネ業界に参入したのが株式会社ジェイアイエヌです。

 市場最低・最適価格でありながらデザイン性が高く、バリエーションも豊富。しかも買ったその日に受け取れるメガネは爆発的にヒットし、メガネ業界に大きなイノベーションを起こしました。いい商品を低価格で提供できた理由は、企画から販売まで自社で一括して手がけるSPA方式というビジネスモデルを採用したところにあります。

 しかし、メガネの低価格化やコンタクト・レーシックなどの普及などにより、かつて年間で約6,000億円だった国内市場は約4,000億円程度に縮小します。株式会社ジェイアイエヌ JINS MEMEグループ リーダーの井上一鷹氏は「私たちはアイウエア業界の市場規模をさらに拡大していくために視力矯正用のメガネだけを提供するのではなく、アイウエアに新しい付加価値を生み出すことで、視力矯正を必要としないお客さまもターゲットにした商品開発に着手したのです」と話します。

 同社の取り組みで最初にヒットしたのが、2011年に発売されたブルーライト対策メガネ「JINS PC」(現「JINS SCREEN」)です。これはPCやスマートフォンなど画面から発生する強力な青色光「ブルーライト」をカット。視力の低下を防ぐ新たな付加価値の提供により、メガネは視力が悪い人がかけるものという常識を覆しました。

 井上氏は「通常3,000本でヒットと言われる中で、JINS SCREENの累計売上本数は約700万本です」と解説します。JINS SCREENに代表される、さまざまな付加価値を持ったメガネを世に送り出すことで新市場を開拓する同社にとって、IoTに代表されるデジタル時代の到来は絶好のチャンスでした。メガネにIoTの機能を付加したライフスタイルが提案できれば、新たな市場が生まれるのは明らかだったからです。

 

ヒントは「脳トレ」川島教授のひと言

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Bizコンパス編集部 /NTTコミュニケーションズ株式会社 山田 典子

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