デジタライゼーションの未来形(第5回)

これからのICT基盤の答えはソフトウェアの中にある

2017.01.20 Fri連載バックナンバー

 クラウドやビッグデータ、IoT、AIなど、新たな技術が続々と登場し、それらを使うための基盤となるICTインフラを取り巻く技術も、使われ方も、大きく変わり始めています。2020年に向けて、未来のICT基盤をどう構築していくべきか。また企業のIT部門は何をすればいいのか。3人の専門家に伺いました。

 

シンプル化と自動化が進む2020年のICT基盤

――いまや普及期にあるクラウドや、普及しつつあるSDxなど新技術は、企業のICTインフラをどのように変えていくと考えられるでしょうか。

井下 クラウドを利用する際、現状では仮想サーバーと、そこに接続するためのネットワークをそれぞれ個別に構築するなど、機能別で調達する形になっています。しかし将来的には、クラウド上でWebサーバーを作ろうとすると、自動的に仮想サーバーやネットワーク、セキュリティなど関連する機能が自動的にセットアップされてまとめて提供される、そういった世界になるのではないでしょうか。

 実際、先日「Amazon Web Services(AWS)」が発表した「Amazon Lightsail」では、DNSや固定IPアドレスのセットアップ、OSや開発環境、アプリケーションのインストールまでが自動的に行われます。将来的には、このようなサービスがさらに発展し、ネットワークやセキュリティといったものまで含めて提供され、これまで以上に迅速に必要な環境が整えられる時代になるでしょう。そのように考えていくと、クラウドの利用形態は現状のIaaS中心から、必要な機能がまとめて提供されるPaaSの活用へと変わっていくのではないでしょうか。

湯澤 ネットワークも変わっていくでしょう。次世代のモバイルネットワークに位置付けられている「5G」が2020年を目処に商用化される予定であり、さらなる高速化やコストの低廉化が進むと考えられます。そうなってくると、ネットワークの利用形態は大きく変わるはずです。

 

5G時代のネットワークの姿とワークスタイル

井下 現状では、クライアントPCをはじめとする社内の端末をスイッチやルーターで集約し、その上でインターネットやVPNにつなぐという形が一般的です。しかし、今後モバイルネットワークが大きく変わり、これまで以上に企業にとって使いやすい存在になれば、クラウドやデータセンター上で通信を集約し、そこに各端末からダイレクトにアクセスする形になることも十分に考えられます。認証やセキュリティといった機能はクラウドやデータセンター上で実装すればよく、LAN側で個別に対処する必要はありません。

川上 すでにVNFという形で、ネットワーク機器やセキュリティ機器が持つ機能をクラウド上で提供するサービスは始まっています。こうしたサービスを活用し、LANの構築やセキュリティの確保のために使われていた機器がLANからクラウドへ移行することは十分に考えられます。

湯澤 端末さえあれば、外出先でもオフィスとまったく同じ環境で仕事ができるようになれば、仕事の仕方も大きく変わるでしょうね。すでにモバイル環境で作業するための仕組みは多くの企業が整えていますが、5Gが普及すればさらにオフィスの内と外の区別がなくなっていくでしょう。

――そのようにネットワークが変わっていくと、それぞれの従業員が使う端末の形はどう変わると予想されますか。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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