デジタライゼーションの未来形(第4回)

AIとVRが導く働き方とビジネスのイノベーションとは

2016.09.09 Fri連載バックナンバー

 AIやVRといった技術のビジネス利用が拡大し、活用シーンも日ごとに増えていますが、これらの技術は私たちの働き方も大きく変える可能性があります。新たな技術が私たちのワークスタイルにどう影響するのか、そして企業はどう対応すべきかについて、ワークスタイルについて詳しい3人のコンサルタントに話を伺いました。

本記事の最後より、未来の働き方や先端技術の取り組みをご紹介する「未来へのヒントとなる事例集」がダウンロードできます。

 

AI(人工知能)が取り仕切る未来の会議

――AIやVRといった新たな技術が続々と登場していますが、これらは私たちのワークスタイルをどのように変えていくと考えられるでしょうか。

鈴木 今後、単純作業はIT化によりアウトソースされ、私たち人間は課題解決、課題探求に注力することになっていきます。AIは人間の作業を補助するものから、考えをうながすための相手となり、VRは新たなオフィス空間として、私たちのワークスタイルに導入されていくでしょう。

 たとえばオフィスで日常的に行われている会議に目を向けると、現状は会議で話し合われた内容をメモし、それを議事録としてまとめるといった作業を人間が行っていますよね。それをAIが自動的に行ってくれるというのは、十分に考えられます。また、会議の中で話題になっている事項に関連する情報を社内のデータやインターネットの中から探してきて提示する、あるいは表情の変化などから参加者の感情を読み取り、モデレーターとしてさりげなくアドバイスすることもできます。「その分野には、こういったデータがあります」とサポートしたり、「みなさん熱くなっているので、一旦別の議題を議論しませんか」などとフォローしたりするのです。

中山 実際、感情検知は実用化され始めています。2014年に行われたソチオリンピックでは、防犯カメラの映像から不審者を検知する「DEFENDER-X」が活用され、空港などでの導入も進んでいるようです。また同じ技術を用い、人間のストレスや緊張度合いなどを測定する「メンタルチェッカー」と呼ばれるソリューションもあります。

鈴木 AIを使った翻訳もビジネスで活用できるレベルになるでしょう。たとえばグローバルで会議を行う場合に、それぞれの国や地域のバックグラウンドの違いから意思疎通できないことがあります。単語の意味が解っても“ことわざ”や“たとえ”が通じないというのはよくある話です。こういった部分まで配慮しつつ、適切に翻訳してくれるような仕組みをAIで実現することで、より深い議論ができるようになります。

中山 AIは人間の問いに対して正しい答えを返してくれるといった使い方が想定されていますが、人間が持つ創造力を高めてくれるような使い方にも期待したいところです。何か企画を考える必要があるとき、AIが人間に対してさまざまな投げかけをしてくれて、それによって新たな発想が生まれる。そういった人間とAIがコラボレーションして、相乗効果で新しいアイデアが生まれるといった関係が生まれてくるかもしれません。

吉村 VRについては、現在のようなテレビ会議ではなく、本当にその場に集まっているかのようにリモートで会議ができる、そういった仕組みが近い将来に実用化されるとみています。VRヘッドセットを通して会議室の風景が映し出され、顔を動かすとその方向にいる参加者の顔が見られる。すでにWeb会議やテレビ会議はありますが、VRを使うことによってよりリアルなコミュニケーションを行うことは十分に想像できます。

 このほかにも、VRはさまざまな用途で使えるテクノロジーです。たとえば製造現場なら、熟練工の技を体験できるコンテンツを作成してトレーニングに活かすという手法が考えられます。またロボットと組み合わせ、遠隔操作にVRを使うといったことも考えられるでしょう。わざわざ人間がその場に行かなくても、まるで現地にいるように作業ができるといったものです。

鈴木 VRはデザインや建設などの現場でも役立ちはじめています。二次元の図面や設計図では分かりづらいものをVRでバーチャルに再現することで、簡単に最終的なイメージを第三者に伝えられます。このように最終形を共有し、共に操作しながらデザインの議論を進めることで、クリエイティブな仕事がよりスムーズでより創造的になります。

 

アイデアを生み出す場所としてのサテライトオフィス

――将来的に、AIやVRといった技術は私たちの働き方に深く関わることになりそうですね。そうなってくると、働くための場所であるオフィスはどう変わっていくのでしょうか。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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