ニッポンのIoT普及のカギを握る「IoT推進ラボ」(第2回)

「IoT推進ラボ」が選んだ2つのプロジェクトに迫る

2016.09.30 Fri連載バックナンバー

 「IoT(Internet of Things)」の活用を支援するべく立ち上げられた「IoT推進ラボ」では、先進的なプロジェクトを発掘するコンテストである「IoT Lab Selection」を開催しています。ここでは、このセレクションでファイナリストに選ばれた2つのプロジェクトを紹介します。

 

タクシーメーターのスマートフォン化に取り組んだアフロの挑戦

 「IoT」のテクノロジーを活用した先進的なプロジェクトの創出を目指し、経済産業省が協力し立ち上げた民主導の組織が「IoT推進ラボ」です。すでに国内外の先進的IoTプロジェクトの発掘に向けて動き出しており、2016年2月、7月には広く一般からIoTプロジェクトを公募して表彰する「IoT Lab Selection(先進的IoTプロジェクト選考会議)」が開催されました。ここで支援対象に選ばれたプロジェクトは、資金面での支援やメンターの派遣、そして規制改革やルール形成などに対する支援が受けられます。この第1回IoT Lab Selectionでファイナリストとなったプロジェクトの1つが、株式会社アフロのスマートフォンを使ったタクシーメーターのシステムです。

 アフロでは主に金融業界向けにシステムインテグレーションや運用支援を行っていますが、それとは別に独自のシステム製品を開発して販売するための研究開発を続けていました。その取り組みの中で生まれたのが、スマートフォンでタクシーメーターを実現し、高度なサービスを実現するというアイデアです。

 現在のタクシーには、タクシーメーターや無線機のほかに、クレジットカードやICカード決済を行うための端末や送迎車のためのタブレット端末など、さまざまな電子機器が搭載されています。これをスマートフォン1つにまとめられないかと考えたのが発端だったと、アフロの生田修氏は説明します。

 「スマートフォンは表示デバイスも持つ立派なコンピューターですから、これにすべて集約すればいいじゃないかと考えたんですね。自動車から送出される信号をスマートフォンで検知すれば、走行距離に従って料金を表示することができる。さらに乗務記録の作成を自動化して運転手の負担を軽減することや、乗車されたお客さんが持っているスマートフォンで決済することも可能になります。ただしタクシーメーターにはJIS規格があり、これが大きな壁になりました」

 タクシーメーターの規格を定めているのは「JIS D 5609:2014」というJIS規格で、これを満たさなければ実際に使うことができません。特に問題となったのは温度や振動などに対する耐性で、当時のスマートフォンではJIS規格を満たすことができなかったのです。そのためプロジェクトはいったん頓挫することになりましたが、耐衝撃性の高い、いわゆるタフモデルと呼ばれるスマートフォンが登場し、これでJIS規格をクリアできるのではないかという希望が生まれ、再びプロジェクトは動き出します。しかし、タクシーメーターをスマートフォンに置き換えるには、もうひとつ乗り越えなければならない壁がありました。それが… 続きを読む

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