海外拠点において適切にIT環境を構築するために

盤石なITインフラとその運用体制確立を短期間に実現

2016.06.29 Wed連載バックナンバー

 企業のグローバル展開が加速する中、海外拠点においてもITを最大限に活用することが求められています。しかし、その国の風土やビジネス環境に合わせて最適なIT環境を構築することは決して容易なことではありません。また拠点開設準備においては、IT構築に携わるスタッフの数も限られています。現在タイにおいて新しい銀行の開設準備を進めている三井住友信託銀行は、どのような考え方や手法で数多くの課題を克服したのでしょうか。

 

日本水準のセキュリティや障害対策を有するIT環境をタイで構築することがミッション

 三井住友信託銀行株式会社は、信託の受託者精神に立脚し、高度な専門性と総合力を駆使して、銀行事業・資産運用・管理事業・不動産事業を融合した新しいビジネスモデルで独自の価値を創出している三井住友トラストグループの中核として事業を展開。現在、国内146カ所、海外10カ所に拠点を開設しています。

 海外展開においては、成長めざましい東南アジアの中でも特に経済発展が期待できるタイのバンコクに泰国三井住友信託銀行を2015年秋に開業。日系企業をはじめとする顧客に、ファイナンス業務やグループとして培ってきた信託銀行ならではのサービスを提供しています。

 泰国三井住友信託銀行のIT環境整備を統括した谷充弘氏は、現地におけるIT構築の使命や要件を次のように総括します。

「小規模ながらも銀行としての本店機能を有することから、盤石な運用体制を構築する必要がありました。そのためには、セキュリティにおいても、システム障害対策においても、日本と同等の水準を実現しなければなりません。タイは日本同様、水害などの自然災害が多い国であり、万一の災害にも対応できる実効性の高い対策が不可欠です。また、人の動きが取れないような事態に陥っても、情報が適切に連携される仕組みを構築する必要があったのです」

 このような高水準のIT環境を設立認可後1年半という短期間で構築しなければならないという厳しい条件でありながら、IT要員の人数は限定されていました。谷氏は「小さな所帯でIT基盤をしっかり運用していくためには、信頼できる外部のサービスを早い段階から有効に活用することが不可欠でした」と振り返ります。

 

IT関連情報の不足や言語の壁が立ちはだかる

 三井住友トラストグループでは、従来からバンコクに駐在事務所を開設していますが、銀行本店を設立するのは初めてのことであり、IT基盤を構築するにあたってさまざまな課題を克服する必要があったと言います。

「大きく捉えると、先に述べたIT要員の不足に加え、IT関連の専門情報の不足と言葉の壁が挙げられます。例えば、… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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