常時接続ノートPC誕生の背景

なぜVAIOはMVNO参入を決断したのか?

2016.05.27 Fri連載バックナンバー

 購入し電源を入れれば、すぐにLTE通信が利用できる。しかも通信料は購入時に一括で支払うため、追加料金も発生しない。新たな常時接続型モバイルPCスタイルを提案した「VAIO S11」は、発売以来多くの支持を集めました。しかし、ハードウェアメーカーであるVAIO株式会社が、未知のMVNO事業に参入するには数多くの試練があったはずです。その、ハードルはどのようにしてクリアされていったのでしょうか。「VAIO S11」誕生にまつわる挑戦のプロセスを紐解いていきます。

 

MVNO参入はVAIO独自の世界を構築するカギ

 1997年の登場以来、薄紫とシルバーを基調にした個性的なデザイン、強力なAV機能の搭載などにより、それまでのビジネスユースというPCの概念を一変させた「VAIO」。その後も世間を驚かせる新たな提案を続け、ほかのPCとは一線を画すブランドを確立していきます。

 2014年、ソニーから分社独立して長野県安曇野に誕生したVAIO株式会社は、PCおよび関連製品の企画、設計、開発、製造、販売を事業の主軸としつつ、PC事業で培った技術やノウハウを活かしスマートフォン事業にも進出。最近では設計・製造の受託も行っており、富士ソフトウェアの自立型コミュニケーションロボット「Palmi(パルミー)」、株式会社Moffのスマートフォン連動型のウェアラブルなスマートトイ「MoffBand」なども手掛けています。

 同社がMVNO事業に参入するきっかけは、あるパートナーとの出会いでした。VAIO株式会社 事業推進室長の永吉桂子氏は「長野に移って間もないころ、NTTコミュニケーションズからPCと通信を融合した協業の提案を受けました。その後も定期的にご提案いただくのと並行に、社内でLTE内蔵端末の企画が立ち上がったのです。市場には低価格なSIMが出回っていましたので、後発でやる以上は差異化が必要と考え、PCとスマートフォン、SIMを包括するVAIO独自の世界の構築を目指しました」と経緯を語ります。

 ビジネスライクに判断すればSIMの取り次ぎという選択肢もあった中、あえて同社はMVNO事業への参入を決断。それを支援するMVNEである、NTTコミュニケーションズとの二人三脚でプロジェクトは進んでいきます。しかし、その道のりは決して平たんではありませんでした。永吉氏は「MVNOは未知の事業でしたので、… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

このテーマについてもっと詳しく知りたい

Bizコンパス編集部

Bizコンパス編集部

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter