情報システム部長のためのIoT推進ガイド(第2回)

Industrie4.0とは?日本の製造業が飛躍するカギ

2016.05.18 Wed連載バックナンバー

 連載第1回では、IoT化の際に考慮すべきポイントやIoTの導入・運用を手助けしてくれるプラットフォームの紹介、そして、実際にプロジェクトを推進するための大枠の流れを4ステップで解説しました。

 本稿では、IoT先進国ドイツのIndustrie4.0を取り上げ、製造業全体のIoT化の動きを見ていきます。

 人工知能を活用した製造設備や専門機器が登場し、スマートファクトリーの実現に向けて着々と歩みを進めるドイツの課題とは何なのでしょうか。また、Industrie4.0が牽引する製造業のパラダイムシフトの流れの中で、日本が飛躍するカギとは?

 製造業におけるIoT化の未来と課題を掘り下げてみましょう。

本記事の最後より、IoTの国際標準がどのような規格になるのか、現時点での最新動向をまとめたPDF資料「2016年の最新動向:IoT/M2Mの技術標準化まとめ」がダウンロードできます。

 

ドイツで始まったIndustrie4.0 その対象技術とは?

 Industrie4.0は、第4次産業革命という意味を持つドイツの取り組みで、製造業の高度化を目指して2011年にスタートしました。日本と同様に工業生産に強みを持つドイツですが、少子・高齢化により製造業に進む若者が減る一方で、BRICsに代表される新興国の生産力向上が脅威となる状況に面しています。また、生産プロセスは企業が個別に取り組んできたため、業界内で連携がなく、標準化もされていませんでした。

 そこで産学官が連携し、少人数で稼働可能なスマートファクトリーを作ろう、生産現場の競争力を維持しよう、と始めた取り組みが、Industrie4.0でした。

 この取り組みの肝ともいえるのが、IoTの技術を活用して生産工程をデジタル化、自動化することです。具体的には、工場内の設備をネットワークで結び、機器同士の通信を可能にして人手を減らしたり、人工知能などを用いて工程を自動化したりします。また、設備に取り付けたデバイスから得るデータを活用し、生産性を向上させることも可能。複数の生産拠点をインターネットでつないだり、ERP・SCMなどのシステムと連携させたりして業務を最適化することにもつながっていきます。

 Industrie4.0では、実世界のさまざまな状況を数値化し、定量的に分析を行い、社会の課題を解決しようとする試みであるサイバーフィジカルシステム(CPS)、工場全体のネットワーク化を行い、数値化することで工場管理に活かすスマートファクトリーなどのキーワードは欠かせません。特に考慮すべき技術としてはITセキュリティーや、クラウドコンピューティング、環境変化にシステムの機能を維持するロバストネットワークが主な対象になります。ドイツ政府は、ABB、BASF、 BMW、ボッシュといった大手製造業企業にIndustrie4.0を推進し、生産工程に関わる中小企業も含めて国内の製造業の強化を図っています。

 

ドイツにおける製造業の変化と技術標準化の動き

Industirie4.0によるドイツの製造業の変化

 このような改革の結果、ドイツの製造業はどう変わるのでしょうか。

 まずは、生産工程上の設備にセンサーなどのデバイスを取り付けることで、… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

このテーマについてもっと詳しく知りたい

関連キーワード

Bizコンパス編集部

Bizコンパス編集部

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter