情報システム部長のためのIoT推進ガイド(第1回)

情シス必見!IoTプロジェクトを成功させるポイント

2016.05.11 Wed連載バックナンバー

 今回から全4回に渡り、情報システム部の責任者・ご担当者さまが知っておくべき、IoTの基礎的情報から検討・導入・実践に役立つ情報をお届けします。

 連載第1回となる本稿では、IoT導入のために考慮すべきポイント、そしてIoTプロジェクトを推進するための大まかな流れをご紹介します。

本記事の最後より、IoTプロジェクトを推進するための大まかな流れを紹介したPDF「IoTプロジェクトを成功させるためのチェックリスト」の資料がダウンロードできます。

 

 IoTの仕組み

 IoTは、大量のモノからデータを収集・蓄積し、分析していくことによって生産性の向上や業務の効率化といった効果に結びつけることができます。まずは、データの収集、蓄積、分析という一連のIoTの仕組みについて把握していきます。

 IoTの構成要素は、デバイス、ネットワーク、クラウドの3階層に分けることが出来ます。

1. デバイス

 データの収集を行うために、センサーのようなIoTデバイスを利用します。IoTデバイスは既存の設備に取り付けたり、また、設備に内蔵するようなケースもあるため、1つあたりのサイズが小さく、低価格であることが求められます。また、デバイスが増えていくと、メンテナンスや交換などの手間が掛かるので、特に、電池交換の頻度を減らすためにCPUやメモリなどの処理能力を抑えるなどの工夫が行われています。

 IoTデバイスを選択する際は、用途に応じて最適化された通信チップやCPU、OSを含めたソフトウェアを選ぶことが必要です。

 

2.ネットワーク

 IoTデバイスが収集したデータは、ネットワークを経由し、収集・保管されます。3Gや4Gのワイヤレスネットワークが充実してきたことで、IoTデバイスからのデータ収集を高速かつ安価に行うことが出来るようになってきています。また、管理対象となるデバイスも日本国内のみならず、グローバルに広がっているため、データ収集を行うためのネットワークのグローバル化も急速に進んできています。

 

3. クラウド

 デバイス及びネットワークを経由して収集されるデータは、日々増え続けていきます。このため、データの管理には、拡張性や柔軟性に富むクラウドの活用が向いています。また、蓄積されていくデータを製品の品質向上や業務改善などに役立てるため、データ分析・解析も必要になります。その際のポイントとなるのが、リアルタイムでデータを処理するスピードです。たとえば、センサーを取り付けた設備がいつもと違う動きをしたとき、その変化を即座に感知できれば設備を止めたり、異常を知らせたりすることができます。この観点でも、データの処理性能を柔軟にふやすことの出来るクラウドが向いているといえます。

 上記のような仕組みで取得されたデータは、単独で分析を行うことでも業務改善などの成果に繋げることが出来ますが、既に社内に蓄積された生産管理のデータや、他の設備・システムの稼働データなどと組み合わせることで、これまで把握出来ていなかった問題やさらなる効率化に向けたヒントを得ることが出来る場合あります。これこそ、IoTがいま、注目を浴びているポイントです。

 その一方で、IoTデバイスの通信規格はさまざまあり、生産現場の制御システムを本社などの基幹システムと結ぶだけでも難しいという問題があります。さらに、連携の範囲が広がっていくと、セキュリティに関する考慮も必要です。特に、製造業においては、製造に関わる機密性の高い情報を扱うケースもあるため、デバイス・ネットワーク・クラウドのそれぞれで対応するのではなく、横通しで考慮する必要があります。

 このように、IoTの仕組みそのものは複雑ではありませんが、他システムとの連携の実装方法やセキュリティへの配慮をシステムごとに検討していくことは大変なため、こうした課題に対処出来るIoTプラットフォームサービスを選択することが重要になります。

 

IoT化をサポートするIoTプラットフォームサービス

 IoTプラットフォームサービスとは、IoTを進めていく上で必要な膨大なデータ収集や蓄積、分析などの効率化をサポートするクラウドサービスをさします。検討・活用できるプラットフォームは複数あり、その数は今後も増え、サービス内容も拡大・変化していくでしょう。

 たとえば、日本ユニシスグループはセンサーやカメラなどのデバイスを対象としたプラットフォームサービスの開発に着手しています。グループ会社のユニアデックスが持つデバイス開発やネットワーク技術と合わせて、データの収集や解析までを一手に引き受けるサービスを確立し、ユーザーがIoT環境を構築するためのコストや時間を軽減する狙いです。

 NTTコミュニケーションズでは、実証実験などを通じて進めてきたこれまでのIoTへの取組みを活かし、企業のお客さまがグローバル・セキュアなIoT環境を容易に活用できるIoTソリューションを強化しており、トライアルパックとして、工場設備向けの「Connected Factory」、製品接続向けの「Connected Product」、営業車両の運行管理を実現する「Connected Vehicle」を提供しています。

 米国では、General Electric Company(GE)がPredixというソフトウェアをオープンプラットフォームとして公開しています。PredixにはData Lakeというデータを収集、蓄積、分析する機能があり、医療機器や鉄道車両等の各業種向けのアプリケーションを24種以上稼働させることができます。

 また、複数のIoT関連企業が手を組み、コンソーシアムという形でプラットフォームを開発・普及推進しているケースもあります。たとえば、前述のGEはCiscoやIntelなど計5社でIndustrial Internet Consortium(IIC)を立ち上げました。これにより、IntelとPredix対応のデバイスを開発し、Ciscoのネットワーク製品を利用してデータを集めるといったことが可能になります。

 

IoTプロジェクトの大枠の流れ

 IoTの仕組み、昨今のプラットフォームサービスについてご理解頂きましたが、この仕組みを使って、多くの企業が経営課題を解決してきています。

 IoTは課題解決のための手段であって、目的ではないため、営業部門や製造・生産部門とともに検討していく必要があります。具体的にどのように推進していくべきか、おおまかな流れを把握しておきましょう。

 

ステップ1. 経営課題の解決に向けた仮説を立てる

 まずは解決したい経営課題を特定し、どうすれば解決できるか、その過程でどんなデータをIoTで収集すればよいか仮説を立てます。プロジェクトの成否を分ける重要なフェーズです。

 

ステップ2. 計装設計

 PoC(Proof of Concept/概念実証)の考えに基づいて、仮説が正しいかどうかを検証するトライアルを行います。生産現場であれば計装設計のエンジニアとチームを組み、IoTのプロトタイプが作れるでしょう。IoTデバイスの取り付けやプラットフォームサービスの選定が、この段階になります。

 

ステップ3. 見える化

 データを見える化して、仮説を検証します。仮説が正しいことがわかれば、その結果を共有して他部署や経営層の理解を得やすくなり、一丸となって経営課題の解決に取り組めるようになります。

 

ステップ4. 業務効率化

 本格的なIoT導入によって経営課題を解決し、ビジネスを変えていくステップです。仮説を立て、検証するステップは何度か繰り返すことがあるため、だいたい本格導入にいたるまでには、数ヶ月から3年くらいを想定しておくとよいでしょう。

 下記のダウンロードコンテンツでは、ここで紹介したIoT推進のための4つのステップの詳細や、必要な実施体制などを解説します。

IoTプロジェクトを推進するための大まかな流れをまとめたPDF「IoTプロジェクトを成功させるためのチェックリスト」は下記からダウンロードしてください。… 続きを読む

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