事業部長のためのIoT実現ガイド(第3回)

成功を左右する!IoT推進のための4ステップ

2016.05.24 Tue連載バックナンバー

 IoTは、活用方法次第であらゆる経営課題を解決する手段となります。生産性向上やコスト削減に活用したい企業もあれば、付加価値ある製品開発に役立てたいと考える企業もあることでしょう。これまでの連載では、どのように経営課題の特定を行うかを考えてきました。

 今回からは、IoT活用による経営課題解決のための具体的なステップを見ていきましょう。

本記事の最後より、IoTプロジェクトを推進するために、どのようなチームを作るべきか、どのようなセキュリティ対策をすべきなのか、その要点を解説したPDF資料「IoT推進チームづくりのポイントとセキュリティ対策」がダウンロードできます。

 

成功を左右する目標設定

 IoT導入を成功させるには、IoTは手段であり、目的ではないことをプロジェクト関係者の共通認識としておくことが大切です。つまり「IoT化したい!」ではなく「こういう経営課題を解決するためにIoTが使えるのではないか」と考えることが重要です。

 実態としては、経営層から「IoTを活用して何かできないか」と指示を受けたり、「同業他社が導入しているから」「海外で成功例があるから」といった動機から導入検討をスタートするケースがあるかもしれません。

 しかし、導入目的が明確になっていないと、無駄なコストばかりかかる可能性があります。IoTシステムに必要なデバイスやプラットフォームはさまざまな選択肢・組み合わせが考えられるため、過剰投資となることも十分にあり得るからです。

 生産性向上、コスト削減、品質向上、増収増益、新規ビジネスの創出など、さまざまな課題があるなかで、まずは何を優先して解決したいかを考えることが大切なのです。

 

IoTプロジェクト推進のための4ステップ

 解決したい課題を設定したら、次にIoT導入のプロジェクトの進め方を考えます。IoT推進のための各ステップを見ていきましょう。

 

ステップ1. 仮説設定

 まずは、特定した課題の原因がどこにあるか、IoTによってその課題がどのように解決できるのか、という仮説を設定します。

 IoT導入によりモノ同士がデータを自律的にやりとりすれば、人員削減やコスト削減が実現できるかもしれません。あるいは、特定の装置をモニタリングすることで、保守・点検業務の効率アップを図れる可能性もあります。

 仮説が当たっているかどうかは、実際にデータを見える化して検証してみることが必要になります。この作業はステップ3の主題ですので、この段階では仮説が当たっているかどうかよりも、仮説の有無そのものが重要といえます。

 また、仮説をもとにIoTシステムを構築していくためには、経営層、情報システム部門、事業部門が部署横断的に協力して取り組む必要があります。そのため、仮説が間違っている可能性があったとしても、各部門と議論し、それぞれが納得できる論理的な仮説を立てることがポイントです。

 

ステップ2. 仕組みの検討

 社内で仮説を共有できたら、次にデータ収集のためのデバイスやセンサーの設置など仕組みの検討を行います。製造業において工場のIoT化を進める場合は、製造現場を知る工場担当者、ライン管理者などに加え、ITに詳しいエンジニアが協力しながらIoT導入の仕組みを考えていくことが大切です。

 また、新築する工場であれば既存設備の制約条件に囚われずセンサーデバイスを取り付けることができますが、既存の工場の場合は、当然稼働中の生産ラインをストップすることができません。そのためできる限り生産性に影響せず、現場負担が増えないようにする導入時の工夫が必要です。

 たとえば、現場担当者がどういうオペレーションをしているか、変えられたくない部分は何かなどを理解した上で、普段使われていない休止中の生産ラインや小規模な生産ライン、検証用の別環境から進めていく方法が現実的ではないでしょうか。

 

ステップ3. 見える化

 データを見える化することにより、ステップ1の仮説が検証できます。仮説が立証できれば、IoT導入を進めて具体的な業務改善などにつなげたり、クラウドを使ってデータ蓄積のスケーラビリティを高めたりと、次の手を考えることができます。

 反対に仮説が立証できなければ、ステップ1に戻って再度仮説を立てるところから考えます。繰り返しになりますが、IoT導入は目的ではなく手段であるため、この段階で経営課題の解決に結びつくかどうかをしっかり見極める必要があります。

 見える化することでもうひとつ重要なのは、経営層、ITエンジニア、現場といった異なる階層・部署で効果を共有しやすくなることです。企業によっては、IoT導入に難色を示す部署があったり、IoTを導入する重要性が伝わらない、積極的な協力が得られないというケースがあったりするかもしれません。そのような部署に対して、見える化したデータや数値は大きな説得力になります。部署や職種の壁を越え、IoT導入の効果について全員が「なるほど」と思えるようになることが見える化する大きなポイントです。ここで関係者の一体感を醸成することにより、IoTの本格導入に向けて全社・全員で取り組めるようになります。

 

ステップ4. 課題解決へのアクション

 4つ目のステップでは、見える化したデータを分析・解析し、コスト削減や生産性向上といった課題の本格的な解決に当たります。ここは、IoTの本格導入に向かうステップともいえます。

 本格導入に向けた計画づくりは、ステップ1〜3(仮説を立て、立証するステップ)を担当してきた人たちが中心となるのが良いでしょう。また、分析を専門的に行うチームを作ると、より効果的に業務改善に結びつけていくこともできます。

 スムーズなプロジェクトの進行には、優れたチームづくりが必須です。IoTプロジェクト推進のために、どんな人を選び、どんな能力に注目するのが良いのでしょうか。

 次のダウンロード資料では、4つのステップで求められる体制と、必要な人材について解説します。また、IoT導入で最も大きなハードルとなるセキュリティの問題点と対処法もあわせて解説します。

IoTプロジェクトを推進するために、どのようなチームを作るべきか、どのようなセキュリティ対策をすべきなのか、その要点を解説したPDF「IoT推進チームづくりのポイントとセキュリティ対策」は下記からダウンロードしてください。


(ファイルサイズ:542KB)

※掲載している情報は、記事執筆時点(2016年4月15日)のものです。

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Bizコンパス編集部

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