人工知能(AI)はビジネスにどう活用されるのか(第8回)

家計簿からドローンまで!人工脳「SOINN」の実力

2016.08.26 Fri連載バックナンバー

 NTTコミュニケーションズが提供する家計簿アプリ「Kakeibon」には、人工知能で節約をアドバイスしてくれるという特徴的な機能があります。そこで使われているのが東京工業大学准教授(兼 SOINN株式会社 代表取締役/CEO)の長谷川修氏が開発を指揮した「SOINN」です。SOINNはほかの人工知能と何が違うのか、どういった用途で使えるのかなど、長谷川氏に直撃インタビューしました。

 

身近だが気軽ではない人工知能

 人工知能はさまざまなプロダクトやサービスに組み込まれ、私たちの生活に着実に浸透し始めています。しかし、実際に役立つ人工知能を生み出すのは決して簡単ではありません。学習に利用するデータを精査したり、それをどのように処理したりするのかは人間が考える必要があり、高いスキルが求められるためです。さらに人工知能の学習には膨大な計算が必要であり、高い処理能力を持つコンピューターを使わなければ、現実的な時間で学習を完了させることはできません。確かに人工知能は身近になりつつあるものの、気軽に作れるというものではないのです。

 このような現状の人工知能の課題を解決し、誰もが使える人工知能として開発されたのが「SOINN」です。SOINNは、東京工業大学の准教授であり、SOINNによる各種機器・装置・情報システムの知能化を事業とするSOINN株式会社の代表取締役/CEOである、長谷川修氏が開発を指揮した人工知能アルゴリズムです。そして、「手間ひまをかけることなく、またプログラミングをすることなく学習することができる」(長谷川氏)という特徴を備えています。

 長谷川氏はSOINNのことを人工知能ではなく「人工脳」と呼びます。投入されたデータに応じて成長し、徐々に知的機能を発現するようになるといった様子が生体の脳に似ていることがその理由です。SOINNは最初に2つの人工細胞があり、データの入力が始まると徐々に細胞の数を増やしつつ、細胞間をつなぐネットワークを形成していきます。SOINNにとってデータは“ごちそう”であり、それを食べることで成長していきます。

 

データの順序や因果関係を自ら学習

 SOINNの特徴のなかでも注目したいのは、人が手を加えることなく、SOINNが自ら入力データの順序関係や因果関係を学ぶことができる点です。これにより、ある事象が発生すると次に何が起きるのかを予測したり、異なる2つのデータの関わりを判断したりすることが可能になります。実際、2年分のアメダスのデータをSOINNに入力して学習させ、その予測値と翌年の実測値を比較したところ、… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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