人工知能(AI)はビジネスにどう活用されるのか(第3回)

人工知能活用の切り札!?「ディープラーニング」とは

2016.01.20 Wed連載バックナンバー

 コンピューターが学習し、その結果を踏まえて適切に判断を行う。このような人工知能の活用を実現するための技術の一つとして、今最も注目を集めているのが「ディープラーニング」です。今回はこの技術の仕組みや最新動向について、詳しく解説していきます。

 

人間を超えた人工知能の画像認識率

 提示された写真に何が映っているのかをコンピューターに判断させ、その認識率を競い合う国際コンテストである「ILSVRC(ImageNet Large-scale Visual Recognition Challenge)」において、衝撃的な結果が発表されたのは2012年のことです。それまでは画像認識を誤った率である「エラー率」が25%を超えていましたが、2012年の優勝チームはエラー率を17%弱と大幅に低減することに成功したのです。

 その後も認識率は向上し続け、2015年には人間がテストした場合のエラー率(5.1%)を上回る、4.94%というエラー率を達成したとマイクロソフトが発表。さらに、12月にはマイクロソフトリサーチアジアが3.57%を達成しています。つまり画像に何が映っているのかを判断する領域では、すでにコンピューターが人間を上回っているのです。

 このように急激に画像認識精度が向上した背景には、「ディープラーニング」と呼ばれる技術の存在があります。現在、研究途上の技術であり、ディープラーニングを使って何ができるのかという問いかけに対する回答は諸説ありますが、確実に“できる”と言えるのが「画像や音声といったデータを読み取り、その内容を判断する」というものです。

 

従来の技術とディープラーニングの決定的な違い

 それでは、ディープラーニングは従来の人工知能を実現するための技術と何が異なっているのでしょうか。たとえば画像認識で考えた場合、もともと使われていたのは「赤くて丸いのはリンゴ」だというルールを人間が作り、そのルールに沿って画像に映っているものを判断する「ルールベース」と呼ばれる仕組みです。

 確かにリンゴは「赤くて丸いもの」ですが、それでは赤いボールはリンゴでしょうか。人間であればリンゴと赤いボールを区別できますが、上記のような簡単なルールでは両者の違いを識別できません。ルールを詳細化することでエラー率を下げることはできますが、そもそも正しく識別できる完全なルールを作ることは不可能です。これがルールベースの限界でした。

 続けて登場したのが… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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