専門家に聞くクラウド活用の要諦(前編)

新たな金融サービス創造に向けたIT戦略

2015.11.19 Thu連載バックナンバー

 金融機関が、コスト削減や業務の効率化といった観点だけではなく、トップライン(売上高)を伸ばすためにITをいかに活用すべきか。この課題について、金融業界のIT活用に明るい、株式会社金融ビジネスアンドテクノロジーの代表である、島田直貴氏にお話を伺いました。

 

世界に遅れを取る日本の金融業界のIT活用

 昨今、金融業界の新たなキーワードとして、広まっているのが「FinTech(フィンテック)」です。これはFinanceとTechnologyを組み合わせた造語であり、金融サービスの提供などにおいて、ITの力を積極的に活用することを指しています。たとえば、デジタル決済プラットフォームを提供するPayPalやクレジットカード決済サービスを提供するSquareなどはその代表的な企業でしょう。

ys0001 金融業界におけるITの活用は今に始まったことではありません。銀行では古くから勘定系と呼ばれるシステムが欠かせない存在となっているほか、現在日常的に使われているATMによる預金の預け入れや引き出し、振り込みもITによって実現されています。しかし、株式会社金融ビジネスアンドテクノロジーの代表である島田直貴氏は、欧米先進金融機関と比べると、日本の金融業界におけるITの活用は「かなり遅れている」と指摘します。

 「15年ぐらい前、我が国の金融業界は約2兆円弱のIT投資を行っていましたが、現在では1兆3,000~4,000億円程度と、急速にシュリンクしている状態です。その結果、欧米の先進金融機関と大きく差が開いただけでなく、いまや韓国にも遅れを取っています」

 

これから求められるのはハイブリッドクラウドに向けた戦略

 このような状況にメスを入れるべく、金融庁も動き出していると島田氏は話します。具体的には金融審議会で、銀行における業務の規制範囲の緩和や、金融機関同士で決済を行う仕組みである全銀システムの見直しなどが検討されています。島田氏は「行政当局としてはそのような施策を契機に、金融業界にイノベーティブなサービスを生み出してほしいのです」と、その狙いを紐解きます。

 その革新を実現するためには「新しい業務をどのようなインフラの上に、どのような手法で載せていくか」がポイントだとした上で、そのインフラとして適切なのがクラウドだと語ります。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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