複雑化したIT基盤をクラウド化でシンプルに再構築

柿安本店が考える、10年先も安心できるIT基盤とは

2015.10.16 Fri連載バックナンバー

 オンプレミスのシステムをクラウド上に移行する「クラウドマイグレーション」を検討する企業が増えています。その要因としては、サーバーなどの資産を持たないことで運用負荷を軽減できることや、システムの利用状況に応じて機能や性能を容易に変更できることなどが挙げられます。また、サーバー運用の課題解決を挙げる企業も少なくありません。一般的にサーバーの保守契約期間は4~6年程度であり、リプレースのたびにコストがかかります。しかしクラウドサービスを利用すればリプレースが不要になり、最新のシステムを利用できるというメリットが得られます。

 今回は創業140年以上の伝統を持つ「食」のブランド株式会社柿安本店の事例を紹介し、効率的なクラウドマイグレーションの秘訣を探っていきます。

 

相次ぐ新事業展開でIT基盤の構造が複雑化

 1871(明治4)年に三重県桑名市で創業し、144年にわたり老舗の味、伝統の味を伝承してきた柿安本店。同社では「おいしいものをお値打ちに提供する」という不変の経営理念の下、精肉事業、惣菜事業、レストラン事業、和菓子事業、食品事業という5事業を展開しています。

 精肉事業を皮切りに多事業への展開を図ることで事業を急成長させてきた同社は、事業部門ごとに構築された複雑なシステム環境をいかに改善するかが大きな課題になっていました。同社経営企画部 部長の中林紀泰氏は「5つの事業部で個別のシステムが稼働しており、それらをつなぐネットワークも複数のキャリアが入り乱れている状況でした。新たな事業を展開するたびに継ぎ足しで構築してきた結果、複雑な構造になってしまったのです」と説明します。

 この複雑化したシステムを、同社では少人数のシステム部門で運用していました。中林氏は「少ない人数ですので必然的に管理面に重きを置いた運用になり、現場の営業に必要なデータを提供するといった事業の生産性を向上させるような施策には手が回らない状態でした」と既存システムに関わる課題を語ります。ちょうど時期的に保守契約期限が迫っているサーバーや、OSのアップデートが間近なサーバーがあったこともあり、同社は複雑化したシステム環境をシンプルにするための検討を開始します。

 

前提条件は10年先も安心して使えること… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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