いよいよ本格化!IoTはビジネスをどう変えるのか(第11回)

ドイツ「Industrie 4.0」現場レポート

2016.01.29 Fri連載バックナンバー

 製造業の行く末を占う、最重要キーワードの一つとなっている「Industrie 4.0」。しかし、具体的にどのようなものなのか、今ひとつ見えてこないと感じている人も多いのではないでしょうか。こうした疑問を解決するべく、実際にドイツに出向き、Industrie 4.0の実態を調査しました。今回は、そのレポートをお届けします。

 

アメリカに対する強い対抗心が生んだ「Industrie 4.0」

 多くの企業の本社機能が東京に集中している日本とは異なり、ドイツでは各地方都市に大手企業が散在しています。これは歴史的に、各都市の城下町にそれぞれ企業が誕生したことに起因しております。ドイツでは100万人以上の都市は数カ所しかなく、各都市に点在している企業についても99%以上が中小企業だと言われております。今回、Industrie 4.0の最新動向を調査するべくドイツに向かいましたが、数多くの企業や研究機関の話を伺おうと考えた結果、ドイツ国内を何と2,000km近く移動することになってしまいました。このようになかなかハードな出張ではありましたが、たくさんの人たちに出会って現地のIndustrie 4.0事情を伺うことができました。

今回の行程(ドイツ国内を約2,000km移動)

 今回の調査であらためて感じたのは、アメリカに対するドイツの強い対抗心であり、自国の製品に対するこだわりや誇りです。1990年代までドイツは製造国として高い技術力や自負、生産性を誇り、世界をリードしてきましたが、2000年代に入るとアメリカに主導権を取られてしまいます。アメリカ発の技術であるインターネットが爆発的に普及したことで、テクノロジーに関するイニシアティブも握られてしまいました。今では世界的に、マイクロソフト、アマゾン、グーグル、アップルなど世界大手のIT企業はアメリカ発です。このような状況を打破するべく生み出されたのがIndustrie 4.0なのです。ドイツ政府が、産官学を結集し、ドイツを再び世界をリードする国にするための、国内の製造業をまとめるキーワードであり、また海外へは参画を促すためのマーケティング用語でもあります。

 実際、ドイツ企業におけるIndustrie 4.0への取り組みの中では、マイクロソフトやオラクル、アマゾン、グーグルといった名前はほぼ登場しません。アプリケーションとして使われているのは… 続きを読む

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中川 聡

中川 聡

NTTコミュニケーションズICTコンサルティング本部に勤務。現職にてIoTのコンサルタントに従事。さまざまな企業へ、IoTを利用するための共通基盤化、ビッグデータのコンサルタントも行うかたわら、IoTを利用した新商品やサービス開発をお客さまと行っている。

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