「導入コストが高い」は大きな誤解!

失敗しない! 賢い仮想デスクトップ導入術

2015.02.06 Fri連載バックナンバー

 いま、多くの企業がスマートデバイスやクラウドの活用による「ワークスタイル変革」に取り組んでいる。こうした中で、にわかに脚光を浴びているのが「仮想デスクトップ」サービスだ。サービス導入により、ワークスタイル変革におけるセキュリティの強化が図れるとともに、BCP対策やグローバル展開といった観点でのメリットも生まれる。まさに、いいことずくめのサービスである一方で、「検討はしたが、コスト面で折り合いがつかず泣く泣く断念した」という方も多いのではないだろうか。しかし、その試算には見落としがあるかもしれない。そんな誤解を払拭しながら、仮想デスクトップの「賢い導入術」を探っていく。

 

仮想デスクトップ導入から生まれる数々のメリット

 そもそも「仮想デスクトップ」とはどのようなサービスか皆さんご存じだろうか。簡単に説明すると、企業で個別に設置・管理されているPCの中身を、そっくりクラウド上のサーバーに集約して集中管理するサービスのこと。これにより、ユーザーはデバイスフリー、ロケーションフリーでネットワークを通じてサーバーに接続し、自分のデスクトップ画面を呼び出して利用できるようになる。

 では具体的に、仮想デスクトップによって、どのような経営課題が解決できるのだろうか。

 まず1つは、社員の私有端末を利用して「すきま時間」を活用し、生産性向上とコスト削減を図るBYODだ。BYODに取り組むうえで、最も配慮すべきは情報漏えいなどのセキュリティ対策であるが、画面転送により端末にデータの残らない仮想デスクトップなら容易に解決できる。

 もう1つは、取り組むべき施策が多いため、なかなか費用対効果の面で踏み切れないBCP対策。手軽かつ安価なクラウド型サービスである仮想デスクトップなら、そこまで大きな負担をかけることなく導入でき、万一、出社が困難な状況でも自宅や外出先で仕事を継続する環境を構築できる。

 そして最後に、販路拡大に向けたグローバル展開において問題になるITガバナンス。国や地域によって異なる困難なIT環境の規制も、PC環境がサーバー上で集中管理できる仮想デスクトップならクリアにできるのだ。

 こうした経営課題の解決に加え、仮想デスクトップの導入により生まれる最も大きなメリットは「時間や場所に縛られないワークスタイル」の実現だ。たとえば、会社のPCで作った提案書を、取引先でタブレットを使ってプレゼン、帰宅後に自宅のPCで日報にまとめるといった、デバイスフリー、ロケーションフリーの新しい働き方ができるようになる。これにより訪問件数の増加による営業収益の拡大、残業時間の削減による人件費の抑制といった、さまざまな効果が生まれる。そしてなにより、働く側の社員も格段に「仕事がやりやすく」なるため、仕事に対するモチベーションアップという隠れた効果も期待できる。

 

見えないコスト定量化で「高い」誤解を払拭

 仮想デスクトップの導入を検討する際に大きな障壁になってくるもの─それは導入や運用にかかる「コスト」といえるだろう。仮想デスクトップでは本体にデータを持たないシンクライアントという端末を利用する。一般的なFAT-PC(シンクライアントと比較する際にデータを持つPCをこう呼ぶ)を使った従来の環境と仮想デスクトップのコストを比較すると、前者の方が割安になる場合がある。しかし、これは物理的な「見えるコスト」の比較に過ぎない。そこで裏に隠れた「見えないコスト」をきちんと把握し、定量化することが重要になってくる。

 たとえば、パッチ更新、ウイルス対策、故障対応といった運用コストは、データを集中管理する仮想デスクトップのほうが安くなる。さらにサーバーのアウトソースで生まれる電力コストの削減、リモートアクセスによる残業代の削減など、見落としてしまいがちなコストを定量化することで、コストの比較は完全に逆転する。そこに解決される課題や効果が上乗せされることで、さらにプラスの収益が生まれることも考慮しておきたい。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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