ネットワークエバンジェリスト宮川晋が語る!

“インターネット技術”最前線2015

2014.12.26 Fri連載バックナンバー

 日本の首都・東京に2度目のオリンピックがやってきます。オリンピックイヤーとなる2020年には全世界が日本に注目し、多くの観光客が日本を訪れるでしょう。流行語にもなった「お・も・て・な・し」の心で世界からのホストをお迎えするために、さまざまなインフラの整備がスタートしていますが、とりわけ「ネットワークインフラ」は驚くべき速度で進化を遂げようとしています。

 そこで今回は、その最新動向や最新技術について、NTTコミュニケーションズのネットワークエバンジェリストである宮川晋氏にお話を伺いました。

 

「強く」「柔らかく」進化を遂げるインターネット

 前回の東京オリンピックが開催された1964年、日本ではカラーテレビが爆発的に普及しました。これと同じような現象が2020年にも起きようとしています。ズバリ、キーワードは4K(または8K)の映像伝送です。この次世代の映像伝送が、二度目の東京オリンピックが開催される2020年には広く普及すると予測されています。NTTコミュニケーションズのネットワークエバンジェリストである宮川晋氏は「4Kなどの映像伝送はテレビ放送だけではなく、インターネットストリーミング、VOD、携帯端末でも視聴できるようになるでしょう」と予測します。

 そこで問題になってくるのが、これらのトラフィックの受け皿となる“インターネット”です。

 「現在のデジタルテレビ放送で使われるMPEG2規格は、圧縮して20Mbps程度、インターネットのHDストリームで5Mbps前後です。これが4Kになるとテレビ放送で100Mbps前後、インターネットでも20Mbps程度の速度が必要になるでしょう。さらに企業活動でもクラウド化が進展していけば、インターネット回線全体の増速が必要になります。もちろん“スピードが10倍になったから料金も10倍”というわけにはいきませんので、日々、私たちは“いかに同じような値段でスピードを上げるか”という悩ましいミッションに取り組んでいることを、まずはご理解ください」と、宮川氏は笑顔を交えて語ります。

 さらにオリンピック開催にあたり、街中には公衆無線LAN、携帯電話の基地局が多く整備され、ワイヤレス基盤も増速していくでしょう。「これによってIoT(Internet of Things)が加速度的に普及してきます。そうなるとネットワークの内側から湧き上がってくるアタックをネットワーク側で止めるといった、より高度なセキュリティ対策が求められてきます」と宮川氏は分析します。

 そして、もうひとつ。ネットワークは、必要な場所に必要なボリュームを転送できるように進化していくようです。たとえば「明日、こことここの拠点間の回線を100Mbpsから1Gbpsにして」というオーダーを受けて、ネットワークを増速、使い終わったら元通りに減速できるようになるといいます。

「これまでネットワークは単なるデータを流すパイプでしたが、これからはセキュリティや効率化の機能を付け加えていく必要があります。つまり、ネットワークを“強くする”“柔らかくする”ということ。この課題をSDN/NFVを使ってクリアにすることが私たちの目標です」

 

インターネットはどこまで速くなる?

 現在、実用化されている最も高速な伝送速度は100Gbpsです。果たして、2020年にはどこまで高速化するのでしょうか。実はレーザー光線をON/OFFする従来の光ファイバーの通信方式では、どんなに頑張っても100Gbpsが限界だといわれています。そこで注目されている次世代の通信方式が、位相変調を利用した「光コヒーレント技術(PDF)」です。すでに光コヒーレント技術に対応したDSP(音声や画像などの処理に特化したマイクロプロセッサ)が実用化され、世界の通信ベンダーに出荷されています。このDSPをネットワークの両端に設置すれば、低コストで100Gbps以上の伝送速度が出せるようになります。実際、既に現在の100Gbpsのサービスはこの技術に基づいています。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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