今、最も熱い!インド進出のための手引き(第2回)

失敗しないインド進出のツボ

2014.09.10 Wed連載バックナンバー

 インドにオフィスを開設し、本格的にビジネスを展開する前にぜひ知っておきたいのが同国における電力・通信インフラの状況です。いずれもビジネスを遂行する上で欠かせないものですが、日本とインドでは大きく事情が異なります。今回はインドのインフラ事情について解説しつつ、実際にオフィスを開設する上での流れについて紹介していきます。

 

一日10回の停電も!? 電力インフラに課題を抱えるインド

 2011年3月に発生した東日本大震災はさまざまな影響を社会にもたらしましたが、多くの人々に強い印象を与えたのが電力不足の問題ではないでしょうか。発電所をはじめとした電力設備が被害を受けたことで、需要を満たすだけの電力を供給することが困難となり、多くの地域で計画停電が実施されました。さらに、契約電力500kW以上の大口需要家に対し、電力使用量の削減を求める罰則規定付きの「電力使用制限令」が石油危機以来37年ぶりに発動され、さまざまな企業がその対応に追われました。

 その後、幸いにして計画停電が行われることは無く、また電力不足に起因する停電も発生していません。このように日本では安定して電力が使えることが常態となっていますが、インドでは多くの企業が電力問題に直面しています。電力不足や送電線の老朽化などの問題からインドでは停電が頻発しており、たとえばチェンナイではローテーションで毎日、計画停電が実施されています。

 こうした電力問題を回避するため、多くのオフィスやビルにおいて設置されているのが自家発電装置です。日本で自家発電装置を利用しているオフィスビルは多いとは言えませんが、停電が日常的に発生するインドでは必須の設備となっています。ただし、ビルやオフィスで使われる自家発電装置は連続稼働を想定していないものが多い上、装置を動かすための燃料にも限りがあるため、長時間の停電には対応できません。また、停電が生産性に直結する工場などでは、電力会社からの供給に頼らず、自家発電装置の電力ですべてをまかなっているケースも多いようです。

 

2012年に発生した大停電を契機にデータセンター利用が増加

 このようなリスクがあることから、ITを活用する上で欠かせないのがデータセンターです。従来、インドはネットワークインフラも脆弱であることから、データセンターにサーバーを預けるのではなく、自社で運用管理する傾向がありました。

 インドを含む発展途上国では道路の拡張や鉄道の敷設、そしてビル建設のための工事が至る所で行われています。このような工事中に通信ファイバーが切断されてしまい、通信が途切れるという事態が頻発しています。このようなトラブルによってネットワークが使えなくなれば、データセンター内のサーバーに接続することができなくなり、業務が停止してしまうからというのがその理由です。

 このような意識を変える契機となったのが、2012年8月にグルガオンで発生した3日間に及ぶ大停電でした。第1回でも紹介したように、グルガオンはデリーNCR(首都圏)に含まれる新興都市で、北インドに進出する外資系企業の約80%が拠点を構えていることもあって大きな影響が発生しました。自家発電装置を設置していたとしても、さすがに3日間(72時間)分もの燃料を確保しているところはまれで、多くの企業のサーバーが停止したのです。基幹ERPサーバーをデリー本社に設置していたある日系企業のケースでは、… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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