新春特別企画・グローバル最前線(第4回)

海外展開の鍵は基幹系システムのクラウド化にあり

2014.01.29 Wed連載バックナンバー

 最終回となる第4回では、「グローバルにおける基幹系システムのクラウド化」というテーマのもと、グローバルビジネスにおける基幹系システムのクラウド化ついて市場の動向を交えご紹介していきます。

 多くの企業がグローバル展開を加速する中、進出国において必要となる「基幹系システム」の導入方法がクラウドサービスの登場で大きく変化しています。従来、各国毎に異なるIT環境の中、現地のSI事業者と文化や言語の違いに悩みながら「基幹系システム」を現地に導入された企業は少なくないのではないでしょうか。第一回から第三回でご紹介した内容を踏まえ、グローバルビジネスのスピードに追随するスムーズな「基幹系システム」の導入をクラウドサービスがどのように解決できるのかを見ていきたいと思います。

 

企業をとりまく環境の変化

 現在の企業環境は、国内需要の飽和による売上の鈍化や、アジアを中心としたグローバルマーケットの急成長に伴い、企業規模、事業内容を問わず、多くの企業がグローバル展開を加速させています。中でも注視すべきはグローバルにおける「地勢(各国のビジネス状況・マーケットの変化)」です。各企業はダイナミックに変化する各国の成長率や人件費等を捉え、常にグローバルマーケットにおける「地勢」に合わせたビジネス展開(ビジネスの拡大、縮小、撤退、多角化、統合化)を、迅速かつ柔軟に図ることが求められています。

 そういった中、課題となるのが「基幹系システム」の導入です。「基幹系システム」の導入は、時間と費用がかかるため、迅速性と柔軟性を確保するのは困難です。そのためグローバルビジネスの成功には「地勢の変化」に対応できる「システムの導入」、いいかえると「機動力を備えたシステム」をいかに構えるかが重要です。

 

グローバル基幹システムに求められる4つの要件

 では、「機動力を備えたシステム」とは、どのようなものなのでしょうか?海外進出を行うさまざまな企業の声を集約するとシステムに求められる要件は以下の4つです。

 上記の要件を満たすためには、従来のように各国にオンプレミスで構築するシステムでは実現は困難です。そういった中、注目されるのが、「グローバルクラウドサービス」の活用です。

 

基幹系システムをクラウドサービス上に構築することへの懸念は?

 従来、基幹系システムは信頼性を確保するため、オンプレミス環境で構築することが一般的でした。そのため、その考え方を変え、クラウド上に基幹系システムを作ることについて、「本当に大丈夫なのか?」という意見をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

 まず認識するべきなのは、クラウドサービスが出てきたばかりのころは、技術的にも、利便性についても不透明な部分が多く、一部の企業が限られた用途で利用を検討していたにすぎませんでしたが、現在、既にクラウドの利便性は世の中に浸透し、多くの企業がさまざまなサービスを利用しているということです。これは、クラウドの有用性、信頼性、TCO削減というメリットが、市場に広く認知されたということを示しています。

 基幹系システムのパッケージ製品であるERP(略:Enterprise resource planning)をご利用いただいているお客さまに対して、クラウドサービス上にERPを構築する際の懸念事項をお伺いすると、多くの企業が、(1)「セキュリティ」、(2)「サービスの存続性」、(3)「利用、運用コスト」について懸念を持っている回答し、さまざまなアナリストのリサーチ結果においても同様の評価が並びます。

 ではこれらの懸念を払拭するクラウドサービスとして、どのようなサービスが提供されているのかをご紹介します。… 続きを読む

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守屋 敦仁

守屋 敦仁

NTTコミュニケーションズ株式会社

主にERPシステムを中心としたグローバルクラウドシステムの導入コンサルティング業務に従事。海外進出を目指す企業のグローバルシステム導入を多く手掛けている。

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