新春特別企画・グローバル最前線(第1回)

2014年はこの国に注目!グローバルビジネス最新動向

2014.01.08 Wed連載バックナンバー

 アベノミクス効果か、日本経済の景気は上昇に転じる気配となりつつあるが、中長期的には国内市場の縮小を眼前に控えることから、企業のグローバル進出は今後ますます加速すると言われている。中でも「世界の工場」と言われて久しい中国を筆頭に、その周辺諸国には既に多くの日系企業が進出している。

 一方で、そうした国々の経済成長に伴う人件費等の上昇や、政変・自然災害等によるカントリーリスクなど、グローバルビジネスを進める上では克服すべき課題も少なくない。そこで、これまで数多くの企業の海外進出をサポートしてきた三菱UFJリサーチ&コンサルティングの恩田達紀氏と池上一希氏に話を伺い、いま注目しておくべき“グローバルビジネスの最前線”をご紹介する。

 

中国の“代替地”として、改めてASEANが浮上

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
コンサルティング・国際事業本部 国際本部
グローバルコンサルティング部
部長 プリンシパル
恩田 達紀 氏

「中国から撤退を考える企業が増えてきたというのが、まずはここ1年ほどの間に起こった、日系企業のグローバル化における大きな変化ではないでしょうか」(恩田氏)

 もともと人件費や物価の上昇により「世界の工場」としての地位に陰りが見えかけていた中国だが、両国間における昨今の政治的な軋轢がその動きに拍車をかけていると、恩田氏は語る。特に成都や西安など、中国の内陸部に製造拠点や店舗を持つ大手企業に撤退の動きは顕著だという。

「中国では日中合弁会社の場合、株主の1%でも反対したら、企業の解散は難しくなります。会社の解散は株主の全会一致事項だからです。また、騙されて資産全部とられたという撤退企業が散見されます。中国側から見れば至極当然のことで、撤退するには資産を置いていかざるを得なくなるということです。ですから、ある程度の資産を置いていく覚悟で、リスクをどれだけ軽減できるか。これが撤退に当たっての実質的なポイントになります。ふだん我々は海外にどう進出するかという創造的な部分でご支援させていただくわけですが、昨今ではそうした前向きな話は極めて少なくなりました」

 もちろん中国の巨大市場を狙ったビジネスは終わったわけではない。しかし、潮目が変わるまで静観するというのが、日系企業のグローバル化における大きな変化である。ただ、安価な労働賃金だけを当てにした労働集約型のビジネスは、中国では内陸も含め、そろそろ限界にきているというのが、恩田氏の見立てである。

 その代替地として改めて浮上してきたのが、ASEAN諸国。いわゆる、「チャイナ・プラス・ワン」である。… 続きを読む

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大平 裕之

大平 裕之

リクルートとアスキーでビジネス関連の雑誌や単行本制作に携わり、多くの企業トップ・インタビューや著名人への取材執筆を行う。
フリー転向後は、記事執筆に加え、NHK「週刊こどもニュース」などのニュースショーをはじめ、テレビのクイズやドキュメンタリー番組の企画・構成にも携わる。

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