プロフェッショナルに聞く「ビッグデータ」の本質(後編)

ビッグデータ活用のために必要なコトとモノ

2013.12.26 Thu連載バックナンバー

 ビジネスITのトレンドの中で、企業が次の時代を生き残っていくための重要なカギとなりつつある「ビッグデータ」活用。本記事前編では、そもそも「ビッグデータ」とは何なのか。なぜ多くの企業が「ビッグデータ」と、その活用のためのテクノロジーに注目しているのかについてまとめた。

アクセンチュア
アナリティクス日本統括
マネジング・ディレクター
工藤卓哉氏

 後編となる今回は、企業が具体的に「ビッグデータ」の活用を始めるにあたって、一番初めに必要となる考え方や、プロジェクトの進め方について見ていきたい。今回も、アクセンチュア アナリティクス日本統括 マネジング・ディレクターを務めている工藤卓哉氏に話を聞いていく。

 工藤氏に「ビッグデータ活用に取り組むために必要なものは何か」を尋ねたところ、

1. 「発射台」と「的(着地点)」を定めておく。

2. 強力なリーダーシップを巻き込み「全社横断型」のプロジェクトを組織する。

3. 「スモールスタート、シンクビッグ」で考える。

の3点を挙げた。それぞれの項目の意味について、順に見てみよう。

 

「発射台」と「着地点」の重要性

 ここで言う「発射台」とは、ビッグデータ活用に向けての社内の体制やリソース、分析を行うための基盤と正しい経営の課題認識を指し、「着地点」とは、ビッグデータの分析プロジェクトが目指す「ビジネス課題」に即した目的を指す。

 順序としては、まず「ビジネス課題」を明確にすることが最優先だ。課題が明確になっていれば、ビッグデータを使ってその課題を解決するにはどうすればいいのか、つまり「着地点」を導き出すことができる。並行して、その地点への推進力を生みだす基盤としての「発射台」、つまり社内の体制、リソースや、分析プロジェクトを進めるにあたって必要なIT基盤を整えていくことができる。

 ビッグデータの活用に気がはやると、どうしても「技術的」な基盤を整えることばかりに気持ちが向きがちになる。しかし、より大切なのは「ビッグデータを扱うこと」ではなく、「それによって、どんなビジネス課題を解決したいのか」であり、この基本的な姿勢を忘れないでほしいと工藤氏は言う。

 発射台にあたる、社内の体制、リソースや導入すべきIT基盤がどうあるべきかを見極める作業も、「着地点」が見えていればこそ、方向性の定まったものになる。

 実際に発射台を作る作業でも、着地点と照らし合わせながらであれば「そのために必要なデータが社内にない」ことが分かったりする。であれば、それを手に入れるためにどうすればよいかを、改めて考えて実行すればよい。結果として解決すべき課題が明確であるときにはじめて、ビッグデータを「活用」する意味が出てくる。

「これまでに集めたデータが一杯あるから、とにかく分析すれば何か分かるだろう」という漠然としたスタートから、大きな成果を得ることは難しいのだ。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

関連キーワード

柴田 克己

柴田 克己

フリーランスライター・編集者

1995年に「PC WEEK日本版」(ソフトバンク)の編集記者としてIT業界での取材、執筆を開始。以後、インターネット情報誌、ゲーム誌、ビジネス誌、ZDNet Japan、CNET JapanといったWebメディアなどの製作、運営に携わる。2011年より、フリーランスとして活動。主にITをテーマとした企画の執筆、編集を行っている。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter