プロフェッショナルに聞く「ビッグデータ」の本質(前編)

今、ビッグデータアナリティクスが注目される理由

2013.12.19 Thu連載バックナンバー

 この5年ほどの間に、ビジネスの世界に大きな変化を生みだすITトレンドとして「ビッグデータ」に関心が集まっている。先進企業が、このビッグデータへの取り組みを進め、実績を上げる中で、ビッグデータは「バズワード(はやり言葉)」としてもてはやされる時期を過ぎ、より多くの企業が、今後のさらなる成長と生き残りをかけて、本格的な投資を検討する段階に進みつつあるといえる。その意味をはっきりさせるため、たとえば「クラウド」というテクノロジーを考えてみよう。もはやクラウドは、「使う/使わない」という選択の段階を超えて、「どのように活用するか」というステージに突入しているが、「ビッグデータ」もいま、同じ道を歩みつつあるのだ。

 今回は、企業が未来をかけて取り組むべき新たな潮流となりつつある「ビッグデータ」に、なぜ多くの企業が関心を寄せているのか、実際に取り組みを始めるにあたって最初に何を考えておくべきなのかについて、アクセンチュア アナリティクス日本統括 マネジング・ディレクターを務める工藤卓哉氏に話を聞いた。

 工藤氏は、1997年に慶応義塾大学商学部を卒業後、アクセンチュアに入社。経営コンサルタントとして、多様な分野のプロジェクトに従事した。2004年に同社を退職し、米コロンビア大学大学院で国際公共政策を学んで修士号を取得。在学中にニューヨーク市の公衆衛生医療政策局の副長官からスカウトされ、卒業後は米国政府の職員として統計ディレクターなどを歴任した。2011年3月の東日本大震災を契機に帰国を決意し、現職としてアクセンチュアに復職している。

 2013年11月には「これからデータ分析を始めたい人のための本」(PHP研究所)、「データサイエンス超入門 ビジネスで役立つ『統計学』の本当の生かし方」(日経BP社)といった著書を立て続けに出版した。日本ではまだ数が少ない「データサイエンティスト」の第一人者である。

 

なぜ多くの企業がビッグデータに関心を寄せるのか

 まず、あらゆる企業の経営者が改めて理解しておくべきなのは、現在のあらゆる市場において「ビッグデータ」という言葉が表す技術や手法が、「ゲームチェンジャー」(現在の状況を一変させる物事)としての性格を持った破壊的なトレンドであるという点だろう。

 工藤氏は、日本の一般消費財企業の幹部などの間にも、近年のビッグデータに関する市場の流れを「脅威と感じている人が多い」と話す。

 ビッグデータは直訳すれば「大規模データ」という意味だ。これまでも、企業は消費者の趣味や嗜好、購買行動などを知るために、さまざまな「データ」を活用してきた。それは、消費者へのインタビューやアンケートであったり、売上情報と結びつけられたIDPOSのデータであったりした。

 しかし、ビッグデータの時代においては、そうしたデータの取得方法や活用のための基盤が、これまでと大きく変化している。… 続きを読む

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柴田 克己

柴田 克己

フリーランスライター・編集者

1995年に「PC WEEK日本版」(ソフトバンク)の編集記者としてIT業界での取材、執筆を開始。以後、インターネット情報誌、ゲーム誌、ビジネス誌、ZDNet Japan、CNET JapanといったWebメディアなどの製作、運営に携わる。2011年より、フリーランスとして活動。主にITをテーマとした企画の執筆、編集を行っている。

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