運用サポートアウトソーシング事例(第1回)

クラウド移行における運用保守サービスの重要性

2013.10.18 Fri連載バックナンバー

 クラウドサービスの利用が一般化するにつれ、以前はリスクの低いファイルサーバーのみをクラウドに移行していた企業が基幹系システムのクラウド移管に本腰を入れはじめています。今回は総合光学メーカー、HOYA株式会社への取材を通して、基幹系を含めたグローバルでのクラウド全面移行におけるシステム構築・運用上のポイントをご紹介します。

 

グローバル全拠点のITを共通化しクラウド移行するビッグプロジェクト

近安理夫氏

HOYA株式会社 コーポレート企画室
HOYAグループ情報システム統括責任者
近安 理夫 氏

 総合光学メーカーとしてグローバルにビジネスを展開するHOYA株式会社(以下、HOYA)は、独立した13の事業部門と約100社の連結子会社によるグループ経営を事業運営の特徴としています。ITシステムは、すべて事業部門や各子会社の裁量により個別に構築。グローバルで見ると、まったく異なるポリシーや仕様で運用されていました。HOYAではこの状況を改善すべく、2011年にグローバルでのITインフラを統一するためのプロジェクト「HITOP(HOYA IT Optimization Project)」を立ち上げました。当時は全世界で見ると、100を超えるデータセンターやサーバールームに1,000台以上のサーバーが点在する状況でしたが、HITOPはこれらを統廃合してクラウド基盤上に移行すると同時に、ネットワークなどもすべて共通化するという大規模なものとなりました。

 グループの情報システム統括責任者を務める近安理夫氏は、「ITコストをトータルで約30%削減しようという目標を設定しました。各事業部門や子会社は皆、自分たちの視点では最適にITを運用しているという自負があり、統合に対する抵抗もあります。それを説得し、プロジェクトを進める上で、世界共通の課題である“コストダウン”という目標は、非常にわかりやすい動機づけになります。またグループの経営方針として、今後もM&Aなどを継続する可能性が高く、ITもできるだけフレキシブルな形態にしたいと思っていました。ですから、これまでのようにオンプレミスで構築するより、クラウドなどのサービスを利用する方が望ましいと考えました」と、プロジェクトの目標を総括します。

 

グローバルでのクラウド化により、重要性を増すネットワークの信頼性

 HITOPは「5年間をかけ、2016年までに移行や統合を終了し、安定稼働を目指す」というスケジュールでスタート。その範囲は、グループウェア、業務アプリケーション、セキュリティ管理、ユーザー端末など「ITに含まれるものすべて」に及びました。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

田川 接也

田川 接也

フリーランス・ライター

企業の情報誌・Webサイト、自治体の広報誌などをメインに取材・原稿執筆を行う。これまでIT系の導入事例記事を多く手がけているが、ITの他、行政、教育、飲食など、幅広いフィールドにおいても活動している。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter