戦略的Webサイトを目指す企業が知っておくべきこと(第2回)

グローバルWebサイトの一元運用を実現したNTTコム

2016.12.09 Fri連載バックナンバー

 NTTコミュニケーションズでは、海外にある14の現地法人が個別にWebサイトを運用しており、コンテンツ品質やセキュリティ対策レベルにばらつきがあることが課題でした。そこで同社は日本の本社主導によりWebサイト統合プロジェクトを発足。複数あったWebサイトは1つの基盤に統合され、当初の課題が解決されただけでなく、コスト面や運用稼働面における効果も出ているほか、現地法人からの好評をも得ています。しかし、当初は現地法人から相当な反発があったと言います。同社がどのようにプロジェクトを成功に導いたのか、その具体的なステップについて解説します。

 

統合前の課題(1):サーバーの保守対応とセキュリティ対策のレベルが違いすぎる

 もともとNTTコミュニケーションズのWebサイトは、2系統のインフラを使って運営されていました。1つ目は海外のすべての現地法人が共通して利用するインフラであり、ニューヨークとロンドン、香港のそれぞれにサーバーを設置し、それらを同期して運用する形です。そして2つ目が日本の本社が利用するインフラでした。課題となっていたのは、2つのインフラで保守レベルやセキュリティ対策に差があったことだと、経営企画部 広報室の森氏は説明します。

 「日本では仮にトラブルがあっても即座に復旧するための体制を整えていましたが、海外のWebサーバーは場所によって保守レベルがまちまちで、障害復旧に時間がかかるケースがありました。企業の顔とも言えるオフィシャルサイトがダウンしたまま、というのは望ましくありません。そこで海外も日本と同等の保守レベルでWebサイトを運営すべきではと考え、グローバル全体でインフラを見直すことにしたのです」

 

統合前の課題(2):掲載されているサービス情報がバラバラ…情報の更新がタイムリーに行われていないケースも

 同社にはコンテンツ面での課題もありました。経営企画部 広報室の舟越氏は次のように説明します。

 「現地法人によってWebサイトの運用体制が異なることもあり、それぞれのWebサイトで提供される情報のレベルに差がありました。最新の情報を常に掲載している現地法人もあれば、そうでない現地法人もある状態でした。私たちは開発したサービスをグローバルシームレスに展開する戦略を推し進めていますが、そのサービスのページ内容が本社と現地法人で異なっている状態は、ブランディングやプロモーションの観点から好ましくありません。そこで、インフラを統合するだけでなく、デザイン的にもグローバル全体を見据えたWebサイトのリニューアルに乗り出しました」

 これらの課題を解決するために、インフラの統合プロジェクトがスタートしました。

 

ステップ1:「ガバナンス強化」の一言で片付けられない、現地法人の本音を理解する

 Webサイトのインフラとデザインを全面的にリニューアルすることについて、当初は海外現地法人からかなりの反発がありました。日本の本社はWebサイト運営におけるガバナンス強化が大きな目的でしたが、海外現地法人にとっては自分たちの権限が奪われ、自由にWebサイトを運営できなくなるように見えるため、反発するのは当然です。そこで日本の本社では、主要な海外現地法人のWeb担当者を集め、徹底的に議論したと森氏は振り返ります。

 「最初は電話会議で話し合いましたが、最終的には顔を合わせて深く突っ込んだ議論を行いました。そこであらためて浮き彫りになったのが、各現地法人のWebサイトに対する期待の違いです。国によって企業としての認知度が違いますし、サービスを提供するための体制にも差があります。Webサイトでしっかりサービスを説明し、確度の高いリードを獲得したいと考える現地法人もあれば、確度よりもリードの数を求める現地法人もあります。そういったビジネスの違いやWebサイトに対する考え方の違いが議論になりました」

 その解決策となったのは、本社を含めた全現地法人で統一した情報を出していく領域と、… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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