導入事例に見るPBXクラウド化のメリット

PBXクラウド化で得た、コスト低減ともう一つの効果

2015.08.14 Fri連載バックナンバー

 基幹系を含めたITシステムのクラウド化が加速する中、電話による音声コミュニケーションの領域にもクラウド化の波が押し寄せています。内線電話を運用するための交換機であるPBX(Private Branch Exchange)は、従来ハードウェアを社内に設置して自社管理されていましたが、昨今クラウドサービスの利用へと舵を切る企業が増えています。今回事例として紹介する2つの企業は、どのような課題を抱え、導入によってどのように改善されたのかを解説します。

 

従来のPBX運用の悩みを解決するクラウドサービスとは

 メールによるコミュニケーションが主流となりつつある今日においても、依然として企業活動に欠かせないのが電話による音声通話です。社外・社内を問わず、リアルタイムに相手と確実なコミュニケーションを行うことができる便利さは換え難いものです。

 その内線環境の心臓部ともいえるPBXは、従来ハードウェアを購入もしくはリースし、自社内で運用・管理されていました。PBXとビジネスフォンで構成される内線環境は、ハードウェアが高価な上、基本機能やテクノロジーが成熟していたことから、更新時期の見極めが困難でした。そのため長期間の利用において老朽化を余儀なくされるケースがしばしば見られ、多くの企業において悩みのタネであるとも言えるでしょう。

 そのような悩みを一気に解決するものが、数年前より複数の事業者によって提供され始めた、クラウド上にあるIP電話サーバーによりPBXと内線の機能を提供するサービスです。主なものとして、NTTコミュニケーションズの「Arcstar Smart PBX」、NTTドコモの「オフィスリンク」、KDDIの「KDDI 仮想PBXサービス」、ソフトバンクの「Bizダイヤル」、ワイモバイルの「クラウドPBX」などが挙げられます。このようなクラウドサービスは、企業の悩みをどのように解決し、どのようなメリットや可能性をもたらすのでしょうか。2つの企業における導入事例を通じて、紹介していきます。

 

PBXの老朽化と内線電話の不足が検討のきっかけに

 1社目は、京都に本社を置くIT企業、エイジシステム株式会社(以下、エイジシステム)です。同社は、ソフトウェアやデジタル回路の開発を核に事業を展開しており、情報システム系ソフト、産業機器などを制御する組込ソフト、LSIやFPGAなどを幅広い企業に提供。近年では、一般消費者をターゲットにした京都の観光案内など、スマートデバイス向けのアプリケーション開発も手掛けています。

 エイジシステムは、京都のほかに兵庫県豊岡市にも開発拠点を設けていますが、各々の拠点で拠点に設置する従来型(オンプレミス)のPBXを運用・管理していました。同社は電話環境においてどのような悩みや課題を持っていたのでしょうか。第一開発部取締役部長の大伴英雄氏は、こう総括します。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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