クラウド・エバンジェリスト林雅之が語る!(前編)

【2015年新春企画】クラウドを取り巻く現在と未来

2015.01.08 Thu連載バックナンバー

 「クラウドファースト」が当たり前となっている現在、ITインフラを大きく変えつつあるクラウドは、これからどのように進化していくのでしょうか。NTTコミュニケーションズのクラウド・エバンジェリストである林雅之氏に、クラウド・コンピューティングを取り巻く現在と未来について解説していただきました。

 

2018年度には1兆8,000億円! 拡大するクラウド市場

 2014年はIT業界にとってどのような一年であったのかと定義すると、「企業のクラウドに対するスタンスが“様子見”から“積極的”へと変わった年」だと言えるのではないでしょうか。

 クラウドサービスの採用は、単にトレンドの波に乗って導入するのではなく、市場の急激な変化が当たり前の時代に、ユーザー企業が本来の情報システムのあるべき姿をふかんし、ITをどのように経営や業務に活かしていくのかを検証するフェーズに入っています。実際、日本情報システム・ユーザー協会が2014年4月に公表した「企業IT動向調査2014」によれば、2013年度は売上高1兆円以上の企業において、「導入済み」「試験導入中」「検討中」と回答した企業の割合は6割を超えました。このように、システムの新規構築や更新を考える際にまずクラウドを検討する、「クラウドファースト」の動きは顕著になっているのです。

 また、これまでクラウドは、メールやグループウェアといった情報系サービスを中心に使われていましたが、2014年は基幹系システムの中核に位置するERP(Enterprise Resource Planning)をクラウド化する事例が続々と登場したほか、IBMの「IBM i(AS/400)」をはじめとするオフコンをクラウド化するサービスへの注目度も高まっています。

 特にクラウド環境でERPを運用する企業が増えたほか、過度なERPのカスタマイズを排除し、開発・運用効率を高め、それによりTCO削減を優先する動きが広まっています。また、このような動きに対応するべく、SAPの「HANA Enterprise Cloud」やオラクルの「Oracle E-Business Suite」、そしてインフォアの「CloudSuite」など、大手ERP事業者もクラウドに注力し始めています。

 各種調査結果を見ても、クラウドの利用が従来以上に広まっているのは明らかです。たとえばMM総研が2014年11月に発表した国内クラウドサービス需要動向の調査結果を見ると、2013年度のクラウド市場全体の市場規模は6,257億円で、2015年度は1兆円超、2018年度には1兆8,081億円に達すると予測しています。MM総研の調査では、8割の企業が新規システムの構築時にクラウドを検討するという結果が出るなど、「クラウドファースト」の動きも加速しています。

 これに伴い、クラウドサービスを提供するプレイヤーの多様化も進んでいます。現在クラウドサービスの主流となっているIaaSでは、Amazon Web Servicesの「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」に加え、マイクロソフトの「Microsoft Azure」、そしてIBMの「SoftLayer」なども広まっています。そしてサーバー仮想化基盤として高いシェアを誇るVMwareも「VMware vCloud Air」の提供を開始しました。

 日本のプレイヤーとしては、NTTコミュニケーションズがグローバル対応のクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」を提供し、多数の企業が大規模なIT環境の運用基盤としてこのサービスを利用しています。

 

クラウド時代におけるシステムインテグレーターの役割

 このような状況の中、NTTコミュニケーションズのクラウド・エバンジェリストである林雅之氏はIT業界の構造に大きな変化が生まれつつあると指摘します。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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