事例に学ぶグローバルビジネスを支えるクラウド環境(第4回)

中国との遅延を解決した濃飛倉庫運輸のクラウド環境

2014.12.24 Wed連載バックナンバー

 国内と海外拠点の情報連携にインターネットを利用する企業は少なくありません。その際に注意したいのは、通信の「遅延」です。特にインフラが未整備の国や地域では、しばしばインターネットが利用できないというケースも発生します。なかでもお隣の中国は、つながりにくい国のひとつ。身をもって経験した方も多いのではないでしょうか。

 今回はアジアを中心にグローバルな物流サービスを提供する濃飛倉庫運輸の導入事例をお手本に、最小の投資で最大の効果を生んだグローバルクラウド活用法に迫ります。

 

日中間の「つながりにくさ」が海外事業の障壁に

 1916年(大正5年)岐阜で創業し、以来、永年にわたり国内外で総合物流業を展開する濃飛倉庫運輸株式会社。2016年8月に創業100周年を迎える同社では「アジアの中のNOHHI」を旗印に、荷主である顧客のグローバル進出を支えるべくアジアを中心とした物流事業展開に注力しています。

 「多くのお客さまが海外に進出される時代の流れもあり、日本と同じ品質のサービスを海外で提供することが大前提となってきました。私たちは『国内から海外までの物流をリアルタイムに把握したい』というお客さまの要望に応えて、インターネットとWebの技術を駆使した進捗在庫管理システム『NIDS(Nohhi International Distribution System)』を構築。2008年よりお客さまへ提供しています」と、同社 情報システム部 部長の堀文則氏は国内外を網羅するシステム誕生の背景を語ります。

 同社の提供するNIDSは、荷主となる顧客の国内外における発注、生産、在庫、検品、船積といった物流のリアルタイムな状況を「見える化」。物流の全体最適化により納期の短縮とコスト削減を可能にするSCMシステムです。このシステムの優れた点は、顧客のみならず、インターネットにつながるPCさえあれば顧客のモノづくりを支援するサプライヤーもエントリーできること。たとえばアパレル業なら、生地の仕立て、ボタン付け、縫製、検品、検針、ピッキング、アソート、値札付け、梱包といった物流加工と呼ばれるモノづくりの進捗状況も同時に把握できるようになります。

 しかし、この画期的なサービスの提供後に大きな問題が浮き彫りになりました。それは中国の拠点から日本国内のWebサーバーにつながる際に発生する「遅延」です。これがシステムのレスポンスを低下させ、ときにはシステムそのものが利用できないケースも発生していたのです。

 「問題は中国。特に上海、青島がひどく、インターネットが全く使えませんでした。せっかくグローバル展開の切り札であるNIDSの仕掛けはできたものの、中国から日本のWebサーバーにつながる足回りが遅延してまったく機能しなかったのです。お客さまの拠点と日本をIP-VPNでつなぐ検討もしたのですが、コスト面で断念せざるを得ませんでした。いかにコストを抑えてNIDSの操作ストレスを解消するかという難題に、ずっと頭を抱えていました」と堀氏は当時を振り返ります。

 そして、この悩ましい課題を解決したのがグローバルクラウドの活用でした。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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