徹底解説!基幹系システムのクラウド移行(第5回)

増えるマルチクラウド化にどう対処すべきか?

2014.10.29 Wed連載バックナンバー

 単一の情報系システムをクラウド化するのとは異なり、事業へのインパクトが大きく、また複数のシステムが絡むことになる基幹系のクラウド移行は、さまざまな角度からの検討が必要になります。

 ここでは、多くの企業のクラウド移行プロジェクトを支援してきたNTTコミュニケーションズのコンサルタントである木村昭仁氏に、複数のクラウドサービスを使い分けるマルチクラウドの視点も含め、基幹系システムのクラウド移行におけるポイントを伺いました。

 

基幹系システムのクラウド利用検討が本格化

 コミュニケーション基盤やグループウェアといった情報系システムのクラウド利用が数年前から活発化し、現在では多くの企業がIaaS(Infrastructure as a Service)Office 365に代表されるSaaS(Software as a Service)を利用するようになりました。こうしてクラウドの“うまみ”を知った企業が、さらなるクラウド移行を検討するのは自然な流れだと言えるでしょう。そこで検討が進められているのが、オンプレミス環境に残っていた基幹系システムのクラウド化です。

 ただ従来は、クラウドサービス側にさまざまな制約があり、基幹系システムのクラウド化は容易ではありませんでした。たとえば、現状のIaaSがサポートしているOSはWindows ServerとLinuxが主であり、AS/400などの環境で運用されているシステムは、クラウド化検討対象から外されることが大半でした。また、パフォーマンスが問題となることもあります。特にデータベースへのアクセスが頻繁に発生するシステムの場合、ストレージ性能が極めて重要になりますが、従来のIaaSではこうした要求に十分に対応することはできなかったのです。

 しかし、ここ半年ほどでこうした状況は大きく変わりつつあります。この連載で解説したように、AS/400をクラウド化するサービス(第2回)、あるいは、データベース環境の運用に特化したサービスや高速なストレージを提供するサービス(第4回)が現れ、従来は難しいと思われていたシステムのクラウド化が現実のものとなってきました。こうした背景から、改めて基幹系システムのクラウド移行が本格化しているのです。

 

多数の企業が「マルチクラウド」を検討する背景

 このように、基幹系システムにおいてもクラウドを積極的に活用する動きが生まれているほか、「複数のクラウドサービスを組み合わせて使いたい」と考える企業も増えているようです。

 具体的なクラウドサービスとしては、Amazon Web Servicesの「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」やマイクロソフトの「Microsoft Azure」、NTTコミュニケーションズの「Bizホスティング Enterprise Cloud」などが考えられるでしょう。クラウドマイグレーション領域を中心にコンサルティングを行っているNTTコミュニケーションズの木村昭仁氏は、これら複数のクラウドサービスを使い分ける「マルチクラウド」を企業が検討する理由を次のように語ります。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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