PBXは持たずに使うトレンドへ(後編)

事例に見る! PBXクラウド化がもたらす効果とは

2014.08.01 Fri連載バックナンバー

 クラウドの活用は経営課題を解決する有効な手段のひとつだ。親和性の高いスマートフォン、タブレットといったスマートデバイスの普及により、事業におけるクラウドの活用はさらに加速しつつある。しかし多くの企業が情報基盤のクラウド化を先行し、コミュニケーションの要となる電話、いわゆるPBXを中心とした音声基盤のクラウド化に未着手なケースが多い。そこで今回は、いくつかの導入事例を交えて、PBXのクラウド化がもたらす“大きなコスト削減効果”、そして“プラスαのメリット”を検証していく。

 

働き方改革を加速させるクラウドの有効活用

 オフィスとデスクを前提とした「固定的な働き方」から、人が中心となる「場所にとらわれない働き方」へ。いま、企業の抱えるさまざまな経営課題を解決するために、クラウドサービスの活用によるデータや音声といったコミュニケーション基盤の刷新が注目されている。それが、コミュニケーションクラウドという発想だ。

 すでに幅広いビジネスシーンでスマートデバイスの活用が進み、オフィスの外にいても容易にメールの確認、グループウェアを使ったコラボレーションなどができるようになってきた。しかし、これだけで場所にとらわれない働き方ができているわけではない。オフィスやデスクに鎮座する固定電話(ビジネスホン)がある限り、まだ音声のコミュニケーションは会社に縛られているからだ。社員と固定電話を切り離すことで初めて、オフィスやデスクに縛られない「ワークスタイルの変革」が実現できる。こうした従来の音声基盤の課題を解決するのは、「PBXのクラウド化+BYOD」を視野に入れた「スマホ内線化」であることは前回の記事でも述べたとおりである。

 スマートフォンを活用した内線システムの構築により、オフィスに限定されずに仕事ができる。また、スマホ内線化は在宅勤務中の社員とオフィスや顧客とのコミュニケーションを円滑化させる効果もある。自宅から内線が使えれば、上司や同僚と、あたかも出社しているかのようなやりとりができるからだ。もちろん、社外からの連絡を在宅勤務中の同僚に転送することもできるようになる。

 現在、インターネット環境で「PBXのクラウド化+スマホ内線化」を提供しているサービスとしては、NTTコミュニケーションズの「Arcstar Smart PBX」、KDDIの「仮想PBXサービス」、アジルネットワークスの「アジルクラウドPBX」、メディアマートの「V-Square」、ネオシードの「BeePo」などがあるが、今回はNTTコミュニケーションズの「Arcstar Smart PBX」によるケーススタディをもとに、その効果を紐解いていく。

 

音声基盤のクラウド化で事業はどう変わるか

 Arcstar Smart PBXは、クラウド上にあるIP電話サーバーによりPBX機能と内線機能を提供するクラウド型PBXサービスだ。PBXやビジネスホンのクラウド化で設備・保守コストを削減。さらに、スマートフォンやPCなどの多様なデバイスで、ロケーションを問わず無料で内線電話を利用できるようになる。

 Arcstar Smart PBXが対象とするターゲットユーザーは、従業員20人から500人規模の事業者。PBXとビジネスホンの更改を間近に控えた事業者が問い合わせの多くを占めるが、段階的なクラウド化も視野に入れた相談も増えだしている。また、業種は多岐にわたり、一般的なオフィスはもちろん、外回りの営業スタッフを多く抱えるSIerがスマートフォンを有効活用するケース、多店舗展開する飲食チェーンが新規出店や統廃合時に役立てるケース、建設現場、展示会など期間限定の拠点設営が多い事業者が利用するケースもあるという。ここでは、全国に店舗展開をする飲食チェーンA社を例に、Arcar Smart PBXの導入効果を見ていこう。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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