PBXは持たずに使うトレンドへ(前編)

PBXのクラウド化─効果を引き出す移行術

2014.07.18 Fri連載バックナンバー

 昨年の記事“「PBXのクラウド化」でコストを削減しよう”でも取り上げたように、いま企業の電話環境は大きく変化しつつある。確かにPBXのクラウド化はトータルコストの削減につながり、スマホ内線化の布石としても有効だ。とはいえ、安易な決断は失敗のもと。すべてのケースでPBXのクラウド化が有効なわけではない。今回はPBXのリプレースに向けて、最大限の効果を引き出すクラウド化のポイントを解説したい。

 

「問題なく使える」に潜む音声基盤の落とし穴

 事業の円滑な情報連携のために電話環境、いわゆる音声基盤は欠かせないツールのひとつだ。多くの企業で一般的に使われているPBX(Private Branch eXchange/構内交換機)、ビジネスホンによる音声基盤の運用には、拠点ごとに設置したPBXの設備コスト、安定して稼働させるための保守・管理コストといった大きな負担が発生する。加えてオフィスのレイアウト変更、人事異動、拠点の統廃合のたびにかかる電話工事費用なども含めると、さらに負担は大きくなる。各拠点のPBXをなくし、クラウドサーバー上のPBX機能、内線通話機能を各拠点のIP電話機で利用するPBXのクラウド化によって、そうしたコスト負担は劇的に改善できる。

 しかしマイボイスコム社が行った「企業のクラウド化に関する実態調査」によると、「PBXのクラウド化」を完了している企業はわずか7.3%にとどまっている。情報基盤のクラウド化には積極的に取り組む一方で、音声基盤のクラウド化は未着手になっているのが現状だ。


出典:マイボイスコム「企業のクラウド化に関する実態調査」より抜粋

 その理由としてまず考えられるのは、「移行のタイミングの難しさ」だ。PBXによる音声基盤は一度導入してしまえばリース償却までに5~7年はかかる。しかも、拠点ごとに導入したPBXのリース期間も異なるため、全拠点で一斉にクラウド化を図るタイミングの見極めが難しいと考えてしまいがちだ。しかし、これは大きな誤解である。必ずしも一斉にPBXを全廃する必要はなく、VoIPゲートウェイなどを使えばリース期限の残っているPBXを活かしつつ、段階的にクラウドに移行する手段があることは覚えておきたい。

 そして、もっとも大きな理由が… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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