金融業界におけるクラウド利用のポイント

さわかみ投信が選択したクラウド活用とは

2014.05.30 Fri連載バックナンバー

 クラウドコンピューティングの本格利用が広がる中、当初導入に慎重だった金融業界においても、ビジネス展開の根幹に関わる部分における活用事例が表れています。今回は、さわかみ投信への取材を通して、クラウド基盤利用のメリットや導入における留意点などを考えてみましょう。

 

コストを抑えながら柔軟性の高いIT基盤を再構築したい

 さわかみ投信株式会社は、1996年に設立された独立系の投資信託委託会社です。「一般生活者の財産づくりを本格的な長期投資でお手伝いしたい」という思いのもと「さわかみファンド」を立ち上げ、「世の中に必要とされる企業に投資しパートナーとしてサポートすることで、受益者の長期的投資リターンのみならず社会への貢献を果たすこと」を理念とした運用業務を行っています。また、「さわかみファンド」は銀行や証券会社などを介さず、投資家に向けて直接販売する直販投信の形態を取っており、運用会社と販売会社という2つの側面や機能を持っていることも特色として挙げられます。

 同社のITシステムは、これまでオンプレミスで基幹システムを構築。外部のデータセンターにコロケーションすることで運用を行っていましたが、基幹システムの一部をクラウド化することの検討に着手しました。情報システム部 部長を務める東田歩氏は、その背景を振り返ります。

 「今回、ファンドの販売に関わる基幹業務システムをクラウド基盤上に移行すべく検討を始めたのですが、基本的な目的は、運用コストの低減と基盤の柔軟性向上です。それまで自社でハードウェアを保有して運用していましたので、構築後数年経つと経年劣化や故障などでサーバーを新規購入する必要が生じ、その都度新たなIT投資が必要になっていました。また、顧客の増加を想定して、導入時にその時点では必要のない余剰リソースを用意するという非効率な部分もあり、リソースをフレキシブルに拡張できる基盤の構築が求められていました」。

 同時に、コロケーションしていたデータセンターが遠隔地にあったため、頻繁に訪れることが難しかったことや、基盤部分とアプリケーション部分の監視の切り分けがうまくできていなかったことも、移行検討の背景にあったといいます。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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