基幹システムのクラウド化を見据えて

一歩進んだIT環境を実現する“オフコンのクラウド化”

2013.11.15 Fri連載バックナンバー

 基幹系システムのクラウド化を検討する際、課題となるのがIBMの「Power Systems」に代表されるオフィスコンピューター(オフコン)のクラウド移行です。多くのクラウドサービスではIntel Architectureの仮想サーバーが提供されているため、Power Systemsのようなオフコンは対応していません。しかし最近になり、“オフコンのクラウド化”を可能にするサービスが登場しています。今回は、クラウドで基幹系システムを運用するメリットをチェックしていきます。

 

基幹系システムという“聖域”に切り込むクラウドサービス

 新規システムの構築、あるいは既存システムの更改といった場面において、「クラウドとオンプレミスを比較する」、あるいは「クラウドの利用を前提としてプロジェクトを進める」といったケースはもはや珍しくないでしょう。さらに最近では、これまでクラウド利用の中心だったメールやグループウェアといった情報系システムに加え、販売や財務、在庫管理など業務を処理する基幹系システムをクラウドに移行する事例も目立ち始めています。

 かつては、基幹系システムに「機密情報」が多く含まれることから、クラウドなどを利用して「外部でシステムを運用する」ことに抵抗感を持つ企業が少なくありませんでした。また、基幹系システムが一度停止すると、業務が停止し、会社の運営に多大な悪影響を与えることになります。そのため、基幹系システムのクラウド移行はあまり進んでいませんでした。

 普及が進まなかった理由としては、もう1つ、「クラウドサービスを提供するために使われている技術の問題」が挙げられます。企業システムをクラウドに移行する際、一般的に使われるクラウドサービスは、仮想サーバーをネットワーク上で提供する「IaaS(Infrastructure as a Service)」ですが、ここで提供される仮想サーバーは、Intel製CPUを搭載したIntel Architectureと呼ばれるコンピューターを仮想化したものです。このため、仮想サーバー上で実行できるOSも、Intel製CPUに対応したWindows ServerやLinuxに限られてしまいます。

日本IBMが提供しているPower Systems
シリーズの1つである「Power 780」。
最大構成時は、8コアのPower 7+
プロセッサーを16個搭載することができる。

 しかし企業によっては、非Intel ArchitectureのIBM「Power Systems」をはじめとする、オフィスコンピューターやミッドレンジコンピューターと呼ばれる製品を利用して基幹系システムを構築しています。こうしたシステムは、Intel Architectureの仮想サーバーを提供するクラウドサービス上では実行することができません。これも基幹系システムのクラウド移行が進まない理由の1つとなっているのです。

 ところが、クラウドサービスの登場から数年が経ち、クラウドサービスでも十分なセキュリティや可用性を確保できる目処が付いたことから、基幹系システムにおいてもクラウドを利用するという選択肢が現実的になり始めました。

 ここで注目したいのが、従来はクラウドに移行することが難しかった「オフコンのクラウド化を実現するサービス」が登場している点です。具体的なサービスとしては、日本情報通信(NI+C)の「Power Cloud i」や、IIJの「IIJ GIO Power-iサービス」などが挙げられ、いずれもIBMのPower Systemsをクラウドサービスとして提供します。これらのサービスを利用することで、基幹系システムを“聖域化”せず、積極的にクラウドのメリットを享受することができるようになったのです。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

Bizコンパス編集部

Bizコンパス編集部

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter