デジタルトランスフォーメーションの実現へ向けて(第4回)

売上アップを図る!多店舗運営での監視カメラ活用術

2017.06.28 Wed連載バックナンバー

 ネットワーク経由で映像をチェックできるようになったり、映像認識技術と組み合わせて来店者数をカウントできたりと、監視カメラは進化を続け、防犯目的だけでなく効率的なマネージメントやマーケティング分野に活用されるなど欠かせないツールとなってきています。

 その反面、監視カメラのIP化、高機能化に伴う運用上の解決すべき課題も多くなってきています。最新のクラウド型監視カメラサービスでビジネスにどのようなメリットが生まれるのか、事例を交えて解説していきます。

 

既存の監視カメラにおける「4つの課題」

 防犯や監視といった目的で、店舗や倉庫などで幅広く使われている監視カメラですが、現在大きな変化が生じつつあるのをご存じでしょうか。中でも特に注目したい動向として、ネットワークを活用した映像のチェックや録画した内容の記録が挙げられます。

 従来の監視カメラの多くは、映像を記録するための装置を現地の店舗や倉庫などに設置し、1週間や1カ月分など、あらかじめ決めた期間の動画をハードディスクに保存していました。このような形では、保存された映像をチェックする際、その都度現地まで足を運ばなければなりません。これは多店舗展開している流通業や、全国各地に倉庫があるといった企業にとっては大きな負担となってしまうでしょう。また、本部などの遠隔地からリアルタイムに映像を見ることができないため、監視カメラの用途も限定的となってしまいます。

「現地設置防犯カメラ」の問題点

 そこで監視カメラをネットワークに接続し、データセンターにあるサーバーやクラウド上に映像を保存したり、遠隔地からリアルタイムに監視したりできるシステムが広まり始めています。これを利用すれば、わざわざ現地まで出向かなくても保存された映像をチェックできるほか、現地の状況をリアルタイムに把握することも可能です。

 

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ネットワーク型監視カメラ活用事例(業務改善/インストアマーケティング)

(1)業務改善

 こうしたネットワーク型監視カメラのメリットを生かした例として、飲食店などにおける店舗監視があります。最近では、トラブル対応などを目的として監視カメラを設置する店舗は少なくありません。これをネットワーク型の監視カメラに切り替えれば、防犯だけでなくリアルタイムに店舗の状況をチェックすることができるようになります。これにより、混雑している店舗に別の店舗から応援を向かわせるなど、その時々の状況に応じた店舗運営が可能になるでしょう。また、複数の店舗の状況をまとめて把握できるため、見回りなどの稼働を削減することにもつながります。

 また、あるタクシー会社ではネットワーク型監視カメラを乗車率の向上に役立てています。タクシー乗り場に監視カメラを設置することで、リモートで映像をチェックしてタクシー待ちの人がいるかどうかを確認。必要に応じて、近くにいるタクシー運転手に指示を出してタクシー乗り場に向かわせるわけです。もちろん最初からタクシー乗り場に待機していれば、乗り場に来た顧客を即座に乗せることができますが、どうしても無駄な待ち時間が発生してしまいます。しかし、監視カメラを利用すれば、乗客待ちの無駄を省きつつ、顧客を長時間待たせてしまうことを防げるのです。

 このようにリアルタイムに監視できることに加え、録画した内容をリモートで参照できることも便利なポイントと言えるでしょう。たとえば多店舗展開している企業において、何らかの問題が店舗で発生したときでも、現地に出向くことなく過去の映像を確認することが可能になります。

 

(2)インストアマーケティング

 監視カメラを防犯以外の目的で使うケースも増え続けています。その一例として挙げられるのが、流通業における来客者数や店舗内の導線の把握です。監視カメラに搭載されている機能や、クラウド上のシステムで映像を分析することで、特定の場所を通過した人数をカウントしたり、来店した顧客が店舗内をどのように動いているかをチェックしたりするわけです。店舗運営において、こうした情報が得られるメリットは極めて大きいでしょう。

インストアマーケティングに最適/動線分析表示

 実際に監視カメラを利用して、来客者数をカウントしているのが日本全国にアパレル店舗を展開しているX社です。同社ではもともと赤外線を使った来客者数カウントシステムが使われていましたが、その導入にかかる費用が大きかったことから、監視カメラで代替することはできないか検討されました。その際、不安要素として挙がったのが、監視カメラで来客者数をカウントする場合の精度です。

インストアマーケティングに最適/人数カウント

 当然ですが、監視カメラを使うことでコストを削減しても、そこから得られる来客者数が実態とかけ離れていれば意味がありません。そこでX社は赤外線を使った既存のシステムと監視カメラを使って得られた両方の来客者数を比較したところ、監視カメラでも赤外線のシステムと同等の結果を得られました。この結果から、監視カメラでも適切に来客者数をカウントできると判断した同社は、既存システムからの切り替えを進めているほか、今後は来店者の導線把握にも監視カメラを役立てたいとしています。

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サービス選定で気を付ける「3つのポイント」

(1)セキュリティ対策

 ネットワーク型監視カメラの一般的な構成は、各拠点に設置している監視カメラをインターネットに接続し、クラウド上のストレージに録画した映像を記録するという形です。映像を参照する場合は、クラウド、あるいは監視カメラにパソコンから接続し、ユーザーIDとパスワードで認証を行います。

 ここで注意したいのはセキュリティです。言うまでもなく、監視カメラの映像は機密性の高い情報が含まれていることが多く、悪意のある第三者による不正アクセスは大きな問題となりかねません。しかしながら、実際には出荷時に設定されている標準のパスワードのまま運用したり、あるいは単純なパスワードを設定したりしていたことから、外部から不正にアクセスされてしまうトラブルが数多く発生しています。あるWebサイトでは、こうした無防備な監視カメラが大量にリストアップされており、多くの映像がさらされてしまっています。

 

(2)ネットワークやクラウドによる制約

 ネットワーク型監視カメラを使い、映像をクラウド上に記録するサービスも存在していますが、現状では画質がアナログカメラ並に低く、細かい部分まで把握できないという難点があります。回線トラブルやメンテナンスによって録画されていない可能性もあるほか、Windows Updateなどによって通信量が増加したときに録画データが抜け落ちてしまうといったトラブルも起こりえます。

「一般的遠隔監視・クラウドサービス」の問題点

(3)カメラの選定

 サービスの選定においては、カメラ選びもポイントになります。現時点でおすすめしたいのは、360度の映像を記録することができる製品です。複数台のカメラを設置することなく広い範囲を記録することが可能であり、見たい部分がカメラのフレームから外れてしまい、重要な部分が記録されていなかったといった失敗を防げます。

 

VPN接続で安全にカメラへ接続できるクラウドサービスがある

 前述の課題の解決策として取り上げたいのが、NTTPCコミュニケーションズの「セキュアカメラクラウドサービス」です。同社はネットワーク回線やクラウドプラットフォームビジネスを手がけるほか、運用監視サービスでも豊富な実績を持ちます。

 セキュアカメラクラウドサービスの大きな特長となっているのが、VPNサービスを使ってネットワーク型監視カメラにアクセスする点です。インターネットを利用しないことで、外部から不正アクセスを受けるリスクを解消します。そしてNTTPCコミュニケーションズにおいて監視カメラの稼働状況を常時チェックするため、トラブルによって録画されていないといったミスを回避できます。また、クラウドサーバーだけでなくローカルのカメラ側でも同時に録画をしているため、通信量の増加によってデータが抜け落ちるといった不安もありません。

 さらに、複数のネットワーク型監視カメラの映像をまとめて参照できるほか、360度撮影できるカメラの映像を補正し、4方向4画面表示を行うことも可能です。双方向音声通信機能も備えているため、カメラの映像を参照しつつ遠隔地に指示を出すといった使い方もできます。

複数拠点のカメラ映像を同時にモニターできる

4方向の画面表示や音声通信も可能

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監視カメラの運用で注意すべき「トラブル時の対応」

 実際の監視カメラの運用において、事前に検討しておきたいのがトラブル時の対応です。たとえば撮影した映像をハードディスクに記録するというシステムの場合、そのハードディスクが故障して映像が記録されていないといったトラブルが起こりえます。通常のパソコンと異なり、監視カメラでは24時間365日、連続して映像データを書き込むため、ハードディスクへの負荷が大きく、故障することは決して珍しくありません。

 また停電にも注意が必要です。メンテナンスを目的とした停電は珍しくありませんが、これによって監視カメラが停止した場合、適切に再起動を行う必要があるシステムもあります。その際、監視カメラが正常に動作しているかどうかを現場で確認する習慣がなければ、録画が停止していることに気付かず放置されるといったことが起こります。

 ネットワーク型監視カメラは、ある程度ITの知識が求められることも意識しておきたい部分です。単純な従来型の監視カメラであれば現地で運用することができても、ネットワーク型監視カメラの場合は物理的にネットワークに接続されているだけでなく、IPアドレスが割り当てられているか、クラウドと問題なく通信できているかも確認する必要があり、ITに関する相応の知識が求められます。

 特に物理的に離れた多数の拠点で監視カメラを使うといったケースにおいては、こうした運用面での手間は無視できないでしょう。そこで検討したいのが、監視カメラの稼働状況を遠隔で監視し、トラブルがあった場合には通知してくれるといったサービスの利用です。前述したように、セキュアカメラクラウドサービスではネットワーク経由で監視カメラの状態を常時監視し、異常があった場合には通知するサービスが提供されているため、障害をすばやく察知して対応することが可能です。

 監視カメラは単なる防犯の枠を越え、映像認識技術を利用したマーケティングへの応用など、その用途は広がり続けています。今後、ビジネスのさまざまなシーンで欠かせないデバイスとなっていくのは間違いないでしょう。

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Bizコンパス編集部

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