2017.10.12 Thu

超絶リアル体験エンタメ「VR ZONE SHINJUKU」誕生秘話

株式会社バンダイナムコエンターテインメント AM事業部 VR部 ゼネラルマネージャー 柳下 邦久 氏

 VRアクティビティを体験できる国内最大級の施設「VR ZONE SHINJUKU」をオープンしたバンダイナムコエンターテインメントの柳下氏に、VRの魅力と今後の展望を伺った。

 

VRエンターテインメントの成功には4つの要素が必要

―― 2017年7月にオープンした「VR ZONE SHINJUKU」が人気ですが、VRエンターテインメントを立ち上げた経緯を教えてください

 ゲーム機器開発の部隊は、常に新しい機材やデバイスで何か面白いことができないか試しており、VRにも早い段階から注目していました。しかし、解像度や価格の問題に加え、レイテンシーにより気持ち悪くなってしまうなどの課題があり、業務用での展開は難しい状態が長く続きました。ところが、2016年になると、各社が一斉に新しいVRデバイスを発表し、それを試した結果、これなら実用に耐えると判断し、本格的な取り組みをはじめました。

 新たなVRデバイスの登場を受けて、業務用ゲームで何ができるのか、まず考えました。そもそも業務用ゲームのテーマは、家ではできない遊びを提供することです。たとえば、ストックを手に持ち、スキーの板に乗って雪山を滑るゲームや、レーシングカーのコクピットに座ってレースを楽しめるゲームのようなものです。

 業務用ゲームの世界で我々は、VR実用化以前から家ではできない体験ができるインターフェースのノウハウを蓄積していました。その蓄積があったから、2016年に新たなVRデバイスが登場したとき、すぐにVR用のコンテンツを提供できたのです。

 開発現場における一番の課題は酔いの問題でした。椅子に座った状態でゴーグルをかけてVR映像を体験すると、自分の体は動いていないのに視点だけ動き回るため、体感と視覚の情報がリンクせず、酔いが発生してしまいます。だったら、視覚と同じ情報を体にも与えればよいのではないかと考え、業務用の「アルペンレーサー」というスキーゲームで試した結果、体に感じる動きが映像に近づくほど、酔いを軽減できることがわかってきました。

―― 2016年4月から10月まで期間限定で「VR ZONE Project i Can」を展開しましたが、その狙いを教えてください

 いくつか可能性のありそうなテーマが出てきたので、それ試すためにお台場で「VR ZONE Project i Can」という実験的な施設を半年間営業しました。本当に、先の読めないプロジェクトで手探り状態でした。

 お台場での実証を通じてわかったことは、VRコンテンツのノウハウ、臨場感を高める体感デバイス開発のノウハウ、IPの力、そしてオペレーションという4つの要素が、VRエンターテインメントのキーファクターだということです。特に、現場で実践してわかったのがオペレーションの重要性です。VRを体験いただく場合、お客さまは目と耳を塞がれ、衆人監視の環境に身をさらすので、その不安を取り除くような環境を用意することが大切です。また、デバイスの取り付け、取り外し、清掃など、従来のゲーム機にはないオペレーションの必要性も認識しました。

 先ほど挙げたVRの4要素を一気通貫で提供できる会社は、世の中にほとんどありませんが、我々のグループなら実現が可能です。お台場での学びを活かし、この当社の強みを活かすため、次のチャレンジとして企画したのが、VRエンターテインメントのフラッグシップ施設「VR ZONE SHINJUKU」です。

 

リアルすぎるがゆえに予期せぬ反応をする客が続出

―― オペレーションの難しさとは、具体的にはどういう部分ですか… 続きを読む

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柳下 邦久(やぎした くにひさ)
1992年 株式会社バンプレスト入社、アミューズメント用景品の開発や、ゲーム機の営業を担当。2007年グループの事業統合で株式会社バンダイナムコゲームスへ転籍、アミューズメントゲーム機の開発を担当。2016年より現職。
◎情報収集方法
「VR ZONE SHINJUKU」プロジェクトで、建物の建築にも関わり、今まで接したことのない職種の方々と仕事をしました。その出会いの中でいろいろなことを教えていただけた経験はとても有意義でした。今後も違う分野の方との交流を続けたいですね。
◎スキルアップのために心がけていること
素直に教えを乞うこと

株式会社バンダイナムコエンターテインメントについて
■ 事業内容モバイルコンテンツ事業、家庭用ゲームソフト事業、業務用ゲーム機事業、その他
■ 設立年月1955年6月1日(前身の旧株式会社ナムコの創業年月日)
■ 本社所在地東京都港区芝5-37-8 バンダイナムコ未来研究所
■ 資本金100億円
■ 従業員数900名
■ 業種その他製品
■ ホームページ

https://bandainamcoent.co.jp/

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