2017.06.13 Tue

企業再生のプロが語る「”人間力”がない経営者は破綻する」

有限会社 会社力研究所 代表 長谷川 和廣 氏

 2000年1月1日、日本のニコン社と、フランスのエシロール・インターナショナル社という光学製品メーカー2社が出資し、世界トップクラスのメガネレンズメーカー「ニコン・エシロール」が誕生した。

 この合弁会社が生まれた裏には、 ある一人の日本人の存在があった。長谷川和廣だ。数々の外資系企業でヒット商品を世に送り出してきた長谷川は、この新会社の設立に至る交渉を担当。さらに、自ら代表取締役に就任し、わずか1年で黒字化を実現した。

 長谷川は現在、会社力研究所というコンサルティング会社を運営し、これまでに2,000以上の赤字会社を再生したという。自らビジネスの最前線に立ちつつ、数多くの企業を支援してきた長谷川に、ビジネスの真髄を聞いた。

 

あのロングセラーも長谷川が関係していた

 長谷川は1939年、千葉県の佐倉市に生まれた。遊び好きの“きかん坊”だったが、勉強も好きだった。

 「実家では父が剣道の道場を開いていたので、そこで毎週、剣道を習っていました。この年になってもまだ毎日竹刀を振っています。武道というのは基礎を養うことがとても大切で、それは経営にも通じるところがあります」

 高校卒業後は“いずれグローバル社会が必ず訪れる”と思い、国際経済を学ぶため中央大学の経済学部に進んだ。在学中には英語新聞も作り、卒業する頃には「喧嘩ができるくらいの英語力は身に付けることができた」という。

 卒業後は、中央大学の理事を務めていた理研光学工業(現リコー)の市村清社長の薦めで、婦人服メーカーの三愛に就職。すると、入社から2年後となる1964年に、“グローバル社会”への扉が開かれる。米国の日用品大手、キンバリー・クラークと十條製紙との合弁で設立された十條キンバリー社への転職だった。同社はキンバリー・クラークが、ティッシュペーパーのブランド『クリネックス』を日本で展開するために設立した会社であった。

 「当時の日本にはまだ“マーケティング”という概念が普及していませんでしたが、十條キンバリーに入れば、米国企業が持つ知識を身に付けられると思い、転職しました」

 十條キンバリーでは、米国から訪れた幹部の下で、プロダクトマネージメントやブランドマネージメントを学んだ。ときには多額の赤字を出してしまうなどの失敗もあったというが、このときに覚えたことは長谷川の血肉となった。

 長谷川は、その後、外資系企業を渡り歩く。1967年からは食品メーカーのゼネラルフーヅ、1971年は日用品メーカーのジョンソン、1983年はシリアル食品で知られるケロッグジャパン、1985年は医薬品メーカーのバイエルジャパンで働いた。

 長谷川はこれらの会社で数々の製品開発に携わったが、その中には現在でも販売が続いている有名な商品も含まれている。

 「ジョンソンではトイレ消臭剤の新製品『シャット』の担当になり、大きな成功を収めました。また、ケロッグジャパンでは、新製品『玄米フレーク』の販売戦略を立案しました。米を使ったフレーク製品は世界的にも初めてで、現地の言葉である漢字を日本で使ったのも、ケロッグとしては異例でした。最初はケロッグの本部に反対されましたが、結果的には大成功となりました」

 

1年目で営業利益の黒字化、3年目で無借金経営を達成
 
 これらの実績を残した長谷川の元に、ある日突然、エシロール社からフランスへ来るよう案内が届いた。

 フランスに飛んだ長谷川は、相手側からエシロールの工場を次々と紹介され、すべて見終わると… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

長谷川 和廣(はせがわ かずひろ)
1939年、千葉県出身。中央大学経済学部を卒業後、株式会社三愛の役員秘書を経て、十条キンバリー株式会社、ゼネラルフーズ株式会社、ジョンソン株式会社などのプロダクトマネージャーを務める。1983年、ケロッグジャパン株式会社の事業開発マネージャー兼社長アドバイザーに就任。1985年、バイエルジャパン株式会社の消費者製品事業部長に就任。1995年、株式会社バリラックスジャパンの代表取締役社長に就任、2003年に株式会社ニコン・エシロールおよび株式会社ニコン・アイウェア-、株式会社エシロールジャパンの代表取締役社長に就任するとともに、仏エシロール・インターナショナルの会長顧問に就任。2006年、CPI会社力研究所を設立、現在に至る。

有限会社 会社力研究所について
■ 事業内容会社再生、M&A、企業戦略の立案、組織開発、新規事業開発、流通経路開発、経営管理システムの開発、エグゼクティブパーソナルコンサルティング等
■ 設立年月2006年
■ 本社所在地東京都港区赤坂9-1-7 赤坂レジデンシャルホテル715号
■ 業種経営コンサルタント
■ ホームページ

http://www.kaisharyoku.jp/

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter