2016.07.19 Tue

人工知能の先駆者曰く“AIは人類の生き方を変える”

株式会社クロスコンパス・インテリジェンス 代表取締役社長 佐藤 聡 氏

 今年の3月、米グーグル傘下の英ディープマインド社が開発した人工知能(AI)囲碁ソフト「アルファ碁」が、世界最高峰の棋士を破って世界中に衝撃を与えた。現在、多くの企業がいかにAIを活用したビジネスを展開するかでしのぎを削っており、近い将来には人間が手がける仕事の多くをAIが担うようになるとも言われている。

 第3次ブームを迎えている最近の“AI熱”の背景には、ここ数年で「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる技術が飛躍的に進歩したことが挙げられる。ディープラーニングとは、人間の脳に近い情報処理を行う技術であり、経験に基づいた学習が可能という大きな特徴がある。

 このAI分野について、他社に先駆けて参入した日本企業が、株式会社クロスコンパスである。同社は東京工業大学発のベンチャー企業として2011年10月に設立。以降ディープラーニングの研究・開発を進め、2015年4月にはディープラーニング専業企業として株式会社クロスコンパス・インテリジェンスを新設。現在、誰もが簡単に学習済みネットワークを利用したり、学習済みのネットワークを登録・交換したりできるようなツールとサービスの開発にも注力している。

 まさにAIとビジネスをつなぐ架け橋となっているクロスコンパスを率いるのが、代表取締役社長の佐藤聡(あきら)だ。

 

バスケとバンドに熱中した少年が、ロボット研究の最先端に飛び込む

 1964年に神奈川県横浜市で生を受けた佐藤は、幼少期から大学までを湘南の逗子で過ごした。小学校低学年までは病弱で、病院と学校を半分ずつ通うような生活だった。“健康のために”という親の願いから半ば強制的に柔道を習い始め、更にはボーイスカウトにも入らされるうちに、頑健そのものの身体へと成長していった。

 中学・高校はバスケットボール部に所属し、高校では県選抜として国体にも出場。その一方で、キーボーディストとして軽音楽部にも所属しバンド活動に没頭するなど、湘南を舞台にした映画や漫画の登場人物さながらの少年期を過ごした。

 大学進学時にはバスケットボール選手としてある大学からスカウトされるほどの実力を持っていた。しかしスカウトの条件として、文系学部に入学することを提示された。理系の学部を志望していた佐藤はスカウトを辞退し、東京理科大学の機械工学科へと進学する。

 大学入学後の3年間はバンド活動がメインの日々を送っていた佐藤だったが、4年生となって研究室を選ぶ時点で、当時学部で最も厳しいといわれていたロボット研究室を選択する。日本のロボット研究の第一人者である福田敏男氏(現・名古屋大学教授)率いる研究室だ。

「当時はロボティクスの研究はまだ珍しく、機械工学科ではあってもソフトウェアもしっかり学べるところはそこだけでした。それまでの3年間サボっていた分を取り戻すかのように、福田先生にはみっちりとしごかれました(笑)」

 研究室では、当時としてはいち早く、多足歩行ロボットや、ニューラルネット(人間の脳の神経回路をモデルとした情報処理システム)による制御の研究も行われていた。ハードウェアと・ソフトウェアの両方の設計と製造について学んだ佐藤は、大学時代の集大成として光ファイバーを用いた6軸センサー(移動方向、向き、回転、移動距離、移動速度が算出できるセンサー)を作成した。

「ある日、研究室の助手の方から… 続きを読む

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佐藤 聡(サトウ アキラ)
1964年、横浜市出身。東京理科大学機械工学科を卒業後、電子楽器メーカーに入社。ソフトハウスでの就業を経て、1994年にソフトウェア開発の企業を創業、経営者兼エンジニアとしてソフトウェアの開発を手掛ける。その後2011年10月に株式会社クロスコンパスを設立、2015年4月にAIビジネスを担う部門を分割、株式会社クロスコンパス・インテリジェンスを設立し、現在に至る。

株式会社クロスコンパス・インテリジェンスについて
■ 事業内容ディープラーニングを用いたデータ解析技術の研究・開発
■ 設立年月2015年4月
■ 本社所在地東京都港区芝5-29-18 NBC三田ビル 7階
■ 資本金39百万円
■ 従業員数7名
■ ホームページ

https://www.xcompass.com/

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