2016.06.21 Tue

歴代初の技術系出身社長が経験した挑戦と失敗の日々

森永乳業株式会社 代表取締役社長 宮原 道夫 氏

 2017年に創業100年を迎える森永乳業。チルドカップコーヒーのNo.1ブランド「マウントレーニア」や累計10億本を超えるプレミアム箱入りアイス「PARM(パルム)」、水切り製法で3倍濃縮した新食感が人気の「濃密ギリシャヨーグルト パルテノ」など、独創的な商品を世に送り出してきた同社は、その優れた開発力から“技術の森永”と称されている。その“技術の森永”を象徴する存在が、2012年6月、技術系出身者として初の代表取締役社長に就任した宮原道夫である。

 宮原は、入社以来歩んできた技術屋の知見を最大限に活かし、積極的な新商品投入と生産性の抜本改革を推し進め、2016年3月期には連結純利益を前期比2.5倍の105億円に伸ばし、6年ぶりに過去最高益を更新する手腕を発揮した。

 

リーダータイプのわんぱく小僧

 1951年、東京は神田の生まれ。実家は神田明神のすぐ近く。店舗や卸売屋が立ち並ぶ町中には、大きな「やっちゃ場(青果市場)」があり、毎日が祭りのような活気に満ちていた。「後楽園も皇居も歩いていけるし、本が読みたければお茶の水に行けばいい、アメ横も近いし、遊び場にはこと欠かない環境でした。うちは『勉強しろ』とか言わない親だったこともあり、遊んでばかりのわんぱく小僧でしたね」と宮原は少年時代を振り返る。

 チャキチャキの江戸っ子が集まる土地柄からか、子ども同士の間でも上下関係はしっかりしていた。「上の年代が下の面倒を見るのは当たり前で、同じ年代でも暗黙のうちに役割分担が決まっているような感じでした。野球のチームをつくるときも一番上手な2人がメンバーを選び、誰がどこを守りどの順番で打つのかも自然に決まりましたね。何かあれば、みんなで助ける、みんなで立ち向かう、そういう連帯感があったから、いじめなんてありませんでした。今にして思えば、あの頃の経験が組織を進める際の、私の基本的な思想になっているのかもしれませんね」

 かくいう宮原も、本人は意識していなかったというが、常にクラブのキャプテンやクラス委員長の役割を任されるリーダータイプの少年だったという。

 

「食の仕事には夢がある」という言葉に感銘し森永乳業へ

 中学へ進む頃になると、父親への反抗心が芽生えてきた。銀行員の父親とはほとんど口をきかず、何かあっても母親を介してしか話さなくなった。「父親への反抗心が強かったこともあり、お金を扱う仕事にだけは就きたくないと思っていました」と宮原は苦笑いを見せる。… 続きを読む

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宮原 道夫(ミヤハラ ミチオ)
1951年東京出身65歳。1975年早稲田大学大学院理工学研究科修了後、森永乳業入社。東京多摩工場製造部長、盛岡工場長などを経て2006年常務執行役員生産本部長、2007年専務取締役、2009年取締役副社長、2011年代表取締役副社長、2012年6月より代表取締役社長

森永乳業株式会社について
■ 事業内容牛乳、乳製品、アイスクリーム、飲料その他の食品等の製造、販売
■ 設立年月1949年4月
■ 本社所在地東京都港区芝五丁目33番1号
■ 資本金217億400万円(平成28年3月31日現在)
■ ホームページ

https://www.morinagamilk.co.jp/

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