2016.04.05 Tue

シグマがMade in Japanのレンズ作りにこだわる理由

株式会社シグマ 代表取締役社長 山木 和人 氏

 写真愛好家やプロのカメラマンなら、「シグマ(SIGMA)」の名を知らない人はいないだろう。高品質で豊富なラインナップのカメラ用交換レンズ、デジカメを世に送り出す光学機器メーカーだ。

 同社は、他のメーカーが海外生産へとシフトするなかで、“メイド・イン・ジャパン”であることに強いこだわりを持っている点が特徴。ほぼすべての製品を、唯一の生産拠点である福島県の会津工場で製造しているのである。

 社長の山木和人は、“メイド・イン・ジャパン“にこだわる理由について、次のように語る。

「カメラや交換レンズというのは、何百もの部品を調整しながら精緻に組み合わせてつくり込んでいく、いわゆる『擦り合わせ型』の製造モデルで、日本人が得意とする領域です。製造に必要なノウハウが細部にわたって存在しており、その積み重ねがとても重要なのですが、当社の工場や工員、そしてサプライヤーにも、一朝一夕では得られないノウハウが蓄積されています。

 また、こだわった部品や高性能な部品というのは、外注すると逆にコストが高くなってしまいがちです。自社工場は製品の価格を抑えることにも貢献しています」

 シグマの“メイド・イン・ジャパン“路線は、ものづくりの一方で、雇用を守る狙いもあるという。

「当社は未上場で、いわゆる“同族企業”なので、たとえば『リストラして株価を上げる』といったような指標はほとんど存在しません、雇用の維持と確保は経営目標の中でもかなり高いところに置かれています。その実現のためにも、日本でものづくりを続ける必要があるのです」

 

「父のようにはなれない」というコンプレックス

 山木はシグマ創業者の山木道広氏の息子として、1968年に生まれた。東京都狛江市にあった本社ビルの最上部が自宅で、休業日には倉庫や工場で隠れんぼをするなど、本社は暮らしの場であり、遊びの場でもあった。敷地内には社員が暮らす女子寮と男子寮もあり、若い社員と一緒に遊んだり、銭湯に連れて行ってもらったりしながら少年期を過ごした。

 父・道広氏は、山木が物心つく頃から、自らの後継者となるよう言い聞かせ続けた。親戚達もまた、父のように立派になるためにもしっかり勉強するようにと、顔を合わす度に口にした。

「最初は(跡を継ぐことが)すごく嫌で、チャンスがあればここから逃げ出そうと考えていました(笑)。だけど、高校生ぐらいになると、… 続きを読む

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山木 和人(ヤマキ カズト)
1968年東京都出身。1993年上智大学 大学院 経済学専攻博士課程前期 修了後、株式会社シグマに入社。機構設計などを担当後、2000年 経営企画室長就任。同年開始のカメラプロジェクトにてプロジェクトリーダーを務め、2005年に取締役社長、2012年2月に代表取締役社長に就任、現在に至る。

株式会社シグマについて
■ 事業内容一眼レフカメラ用交換レンズの製造、デジタル一眼レフカメラ、コンパクトデジタルカメラの製造、その他光学機器の製造・販売
■ 設立年月1968年3月8日(創業:1961年9月9日)
■ 本社所在地神奈川県川崎市麻生区栗木2-4-16
■ 資本金1億円
■ 従業員数1,179名
■ 業種精密機器
■ ホームページ

http://sigma-global.com/

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