2016.02.23 Tue

赤字アパレル会社をV字回復に導いた「検証」の力

株式会社ナルミヤ・インターナショナル 代表取締役社長 石井 稔晃 氏

 「メゾピアノ」「クレードスコープ」「ポンポネットジュニア」など、数多くの子供服ブランドを生み出してきたアパレルメーカーが、株式会社ナルミヤ・インターナショナルだ。

 もともとは呉服専門問屋として1903年に広島で創業した企業だが、1991年にアパレル事業部がナルミヤ・インターナショナルとして分社独立。それまで空白だったジュニア服市場に「子供たちが着たい、憧れる服」を提供することで急成長を遂げる。2000年代に入って一時期、業績が落ち込んだが、近年は郊外型SC(ショッピングセンター)市場への取り組みも積極的に開始し、ブランド開発だけではなく、直営店を中心とした売上拡大を目指すビジネスモデルへと転換、売上を回復している。

 同社のV字回復のきっかけとなったのが、2010年6月に代表取締役に就任した石井稔晃(としあき)だ。

 

「単位が足りない」からはじまったアパレルの道

 石井は1960年3月、兵庫県明石市の海沿いに位置する二見町で生まれた。中学から高校、大学はずっとサッカー漬けで、とくに高校のときは練習に明け暮れて、年間で休みは数日しかないハードな日々を送った。ポジションはフォワードで、高校の時は県のベストイレブンにも選ばれたという。

「サッカーをやっていた頃は毎日、『勝つためにはどうするか』という試行錯誤の繰り返しで、それは経営にも通じるところがあるかもしれません」

 大学に進んだ石井は、指導者として子どもにサッカーを教えるために、教師になることを志した。しかし、社会科の単位が足らず、最終的に教職免許は取れなかった。

「どうしようかと悩んでいたときに、友人にダイエー系のアパレルショップ『ジーニングライフストアー JOINT』(株式会社ジョイント)に就職試験に行こうと誘われて受けたところ、私だけ内定が出てしまったのです」

 これといってアパレル業界に思い入れがあったわけではなかったが、JOINTに就職した後は、各地の店舗を渡り歩きながら経験を積んでいった。

「最初は数百人のスタッフが在籍する三宮店に配属されました。それまではレジすらも打ったことがなかったので、とにかく色々と苦労しましたが、このときに『なにもできないのに色々なことをやらせてもらった』というのが、後々、大きな自信になりました。また、売り場にいると、『こういう服はありますか』『この服はいいね』といったお客さまの意見を直に聞くことができるので、それも勉強になりました」

 

商品を自らの手で選んでみたい

 石井はJOINTで仕事を覚えていくにつれて、やがて商品企画をやりたいと思う気持ちが強くなっていった。しかし、なかなか希望の部署に配属されてもらえない。「ひとつの店がいくら頑張っても限界がある。商品企画担当者として店で売る商品の最初の品揃えを自らの手で選んでみたい」という石井の思いは日増しに募っていった。

 そんな折、… 続きを読む

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石井 稔晃(イシイ トシアキ)

1960年3月生まれ。兵庫県明石市出身。1982年に神戸学院大学卒業後、株式会社ジョイント(ジーニングライフストアーJOINT)に入社。1990年に同社を退職し、株式会社ポイントに入社。2007年に同社代表取締役社長に就任。2010年に同社を退職し、同年6月に株式会社ナルミヤ・インターナショナルの代表取締役社長に就任、現在に至る。

株式会社ナルミヤ・インターナショナルについて
■ 事業内容オリジナル、ライセンスブランドの展開による子供服および関連製品の製造加工販売
■ 設立年月1995年8月
■ 本社所在地東京都港区芝公園2-4-1 芝パークビルB館9階
■ 資本金9億2,055万円
■ 業種アパレル製造加工販売業
■ ホームページ

http://www.narumiya-online.jp/

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