2015.08.18 Tue

宇宙に憧れた少年が世界一のプラネタリウムを作るまで

有限会社 大平技研 代表取締役 大平 貴之 氏

 “世界で最も先進的なプラネタリウム投影機”として、ギネスワールドレコーズに認定された光学式プラネタリウム「MEGASTAR(メガスター)」シリーズをはじめ、世界初の光学式家庭用プラネタリウム「ホームスター」シリーズ、移動式宇宙体感シアター「SPACE BALL」など、プラネタリウムの世界にイノベーションを起こし続けている企業が、大平技研だ。

 その代表取締役を務める大平貴之は、子どもの頃から現在まで、ずっと自らの手でプラネタリウムを作り続けている“星空のクリエイター”である。

 

何でも自分で作ってみなければ気が済まない!

 1970年、神奈川県川崎市で生まれた大平は、模型をはじめとしたものづくりや化学実験、そしてカメラが大好きな少年だった。小学校高学年になると、天体写真の撮影に興味を持ちはじめるとともに、自分の部屋に夜光塗料で星空を描くなど、とりわけ宇宙への関心が高まっていく。

 そんな大平少年が手作りした初めてのプラネタリウムは、10歳の時に作った、本の付録の卓上ピンホール式プラネタリウムであった。

「子供の頃から、ものを作って表現するのが好きでした。世の中に存在すものはなんでも、自分の力で真似して作り上げることで再現したかったんです。モーターや電池のような、普通の工作ではパーツとして完成しているものまで自作しました」

 高校時代は物理部の天文班に所属。今度は一人ではなくチームでプラネタリウムを作製して文化祭で上映した。一方、ロケット製作にも夢中になるなど、まさに宇宙への憧れを部活動にぶつけた高校時代であった。体力もあり余っていたこの頃、定期代を浮かせて工作などの資金とするべく、交通量の激しい片道30kmはあろうかという道のりを自転車で通学したりもした。

 そして日本大学生産工学部機械工学科に進学すると、プラネタリウム作りを念頭に本格的にものづくりの基礎を学び始める。途中で1年間休学し、小さなメーカーでアルバイト兼勉強をしながら製作資金を稼いだ後、ついにレンズ投影式のプラネタリウム「アストロライナー」を完成。レンズ投影式プラネタリウムは、その機構の複雑さや精密さなどから個人製作は不可能とされていたが、それをわずか21歳の学生が自力で作り上げたことでアストロライナーと大平の存在は国内外で話題となった。

 しかし大平はこれに満足しなかった。… 続きを読む

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大平 貴之(オオヒラ タカユキ)
1970年川崎生まれ。小学生の頃からプラネタリウムを作り始め、大学3年時に、個人製作は不可能と言われていたレンズ投影式プラネタリウムを完成させる。株式会社ソニーに就職後も製作を続け、1998年に従来の100倍以上に相当する170万個の星を投影できる「MEGASTAR」を発表。2004年には「MEGASTAR-II cosmos」 がギネスワールドレコーズに認定された。2005年、有限会社大平技研を設立。

有限会社 大平技研について
■ 事業内容プラネタリウム上映システムの開発、設計、製造、販売。プラネタリウムの移動公演、イベントプロデュース。上映コンテンツの制作
■ 設立年月2005年2月
■ 本社所在地神奈川県横浜市都筑区池辺町4489-1
■ 資本金1千万円
■ 従業員数13人
■ 業種製造業
■ ホームページ

http://www.megastar.jp/

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