2015.08.04 Tue

『宇宙兄弟』の“影の生みの親”が描く世界戦略

株式会社コルク 代表取締役社長 佐渡島 庸平 氏

 コルクは、作家のエージェント業という日本にはあまり馴染みのないビジネスモデルの企業だ。文字通り作家の代理人として、出版社との事務的な手続き等を代行するとともに、その作家のファンクラブの運営などマネジメント全般を手がける。

 そんな同社を設立し、社長を務めるのが、『ドラゴン桜』『働きマン』『宇宙兄弟』など、誰もが知る数々の大ヒット作品の編集を担当した敏腕編集者、佐渡島庸平だ。

 

南アで知った人の興味の共通性

 その経歴にふさわしく、佐渡島は子どもの頃から小説や漫画が大好きだった。なかでも、ストーリー性の優れたフィクションをことのほか好み、社会的な事柄に関しても本を通じて興味を抱いていった。

 中学時代は父親の仕事の関係で、南アフリカ共和国の首都、ヨハネスブルグで過ごす。治安が非常に悪く、車以外では移動できないような街だったため、遊ぶのは学校か家のほぼどちらかだ。だがそうした中でも、サッカー、テニス、水泳とスポーツに打ち込んだ。テニスはプライベートコーチの指導を受け、サッカーは現地プロサッカーチームの下部リーグに所属するといったように、かなりのスポーツ少年だった。サッカーでは、チームメイトとの親交をはじめ、しばしば地元の学校との交流戦を行うなど、現地の子供たちと触れ合う機会も多かった。

「暮らしてみて実感したのは、国が違っても何かを面白いと感じる感性はかなり共通しているんだなということでした。だからフィクションについても、人の本質をえぐるような作品であれば、世界で通用するのではないかと、この頃から考えるようになったんです」

 帰国後は国内屈指の名門、灘高校に入学。そして高校を卒業すると、東京大学文学部へと進学した。就職活動では出版社一本、それも小説をしっかりと担当できるような企業しか考えていなかった。となると自然と候補は絞られる。一点集中で挑んだ結果、時にオーディションとも呼ばれる高い競争率を勝ち抜き、2002年、最大手の講談社へと入社。その編集者人生がスタートしたのである。

 

なぜ新人編集者がヒット作を連発できたのか… 続きを読む

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佐渡島 庸平(サドシマ ヨウヘイ)
1979年生まれ、東京大学文学部卒業。2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などの編集を担当する。2012年に講談社を退社し、クリエイターのエージェント会社、コルクを設立、現在に至る。

株式会社コルクについて
■ 事業内容クリエイターのエージェント業
■ 設立年月2012年10月1日
■ 本社所在地東京都渋谷区神宮前1-11-11-506
■ 資本金500万
■ 従業員数正社員数8名
■ ホームページ

http://corkagency.com/

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