2015.04.28 Tue

ゼビオが取り組む “マイナースポーツ活性化”の狙い

ゼビオ株式会社 代表取締役社長 諸橋 友良 氏

 スポーツからファッションまで幅広いアイテムを展開し、グループ合計で300以上の店舗を日本全国に構えるゼビオ。同社の代表取締役社長、諸橋友良に話を聞いた。

 

一年中汗を流し続ける“スポーツ馬鹿”

 大型スポーツ専門店「スーパースポーツゼビオ」や「ヴィクトリア」、ゴルフ用品店「ゴルフパートナー」などを全国で展開するゼビオ。同社はグループで「スポーツコングロマリット構想」を掲げている。この構想は、「スポーツ小売業という枠にとらわれず、スポーツの魅力そのものを追求していく」というものであり、スポーツのビジネスの価値を最大化させることで、よりスポーツを発展させることを狙ったものだ。

 ゼビオを率いる諸橋は、自身を「スポーツ馬鹿」と呼ぶ。その生い立ちを辿れば、スポーツ小売会社の社長という枠を遥かに超えた、スポーツへの熱意が読み取れる。

 福島県会津若松市に生まれた諸橋は、たまたま自宅のすぐそばにスケートリンクがあったことから、幼稚園の頃にスケートで遊び始める。日々スケートリンクに通ううちに、監視員のバイト青年達に可愛がられるようになり、パトロール室に入れてもらいお菓子をもらうなどした。

「意外かもしれませんが、当時スケートというのは不良のイメージがあったんです。だから監視員にもリーゼント頭の不良っぽい“お兄ちゃん”が多かったのですが、子どもの私には、そんな彼らの会話に大人の世界を感じて刺激がありました」

 小学校に入ると、本格的にスピードスケートの練習を開始し、4年生になる頃には試合にも出場するようになった。小学校、中学校とスケートでタイトルを獲得する傍ら、他のスポーツにも打ち込んだ。冬はアルペンスキーにクロスカントリースキー、春は陸上、駅伝、夏は水泳にバスケットボール、それにスピードスケートの脚力をつけるための自転車といった具合に、オールシーズンさまざまなスポーツに熱中した。しかもどの競技でも、学校でトップを争うほどのレベルであった。

 また、小学校3年生からテニスも始め、高校、大学ではテニス部に所属。高校時代には、テニス部に所属しているにも関わらず、スピードスケートで山梨国体に出場した。

「私の通っていた高校にはスケート部がなかったので、無理を言って大会期間中だけ部をつくってもらうという裏技を使いました(笑)。しばらくスケートから遠ざかっていたため1週間ぐらい大学生の練習に混ぜてもらって感覚を取り戻したんです。さすがに良い成績は残せなかったのですが、いい経験になりました」

 

ただ売りさばくのではなく、自分たちも「ものづくり」に関わることが重要

 大学卒業後は専門商社に入社し、その後数社を経て、1994年にゼビオに入社。1962年に福島・いわきの紳士服店としてスタートしたゼビオは、諸橋が入社する頃には大手スポーツ店チェーンとして名の知れる存在になっていた。諸橋の入社から1年後の1995年には、東証一部に上場している。

 諸橋はここで、初めて店頭に立って接客を経験する。

「それまでの専門商社ではB2Bのビジネスで“買う側”にいたので、お客さまと直に接してものを売るという小売の世界は何もかもが新鮮でした。特に驚いたのが、B2Cのレスポンスの速さです。

 この時に感銘したB2Cの視点は、ゼビオがB2C、B2Bともに手がけるようになった今も大事にしているものだ。

「顧客接点という源流からものごとを変えられるようになり、仕事がさらに楽しくなりました。たとえばものづくりでも、顧客の情報を持つ我々がメーカー側に提案して商品開発もできるようになりました。アメリカのスポーツ業界のように莫大な広告費を使ってマーケットにものを売りさばくのではなく、顧客の視点に立ちながら、小売である自分たちもものづくりに関わっていくことが重要なのだと肝に銘じています」

 

先代社長の急死で、スポーツ事業への一本化を図る

 ところが2003年2月、一代でゼビオを一部上場企業にまで育て上げた先代社長の諸橋廷蔵が急逝。この緊急事態に際し、娘婿である諸橋が社長に就任する。… 続きを読む

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諸橋 友良(モロハシ トモヨシ)
1964年、福島県生まれ。1988年に成城大学を卒業後、専門商社他数社を経て、1994年ゼビオに入社、商品部長、取締役を経て2003年代表取締役社長に就任、現在に至る。さまざまなスポーツの普及に励み、自身も社内のアイスホッケーチームで活躍している。

ゼビオ株式会社について
■ 事業内容スポーツ用品・用具、紳士、婦人、子供服の販売
■ 設立年月1973年7月5日
■ 本社所在地福島県郡山市朝日三丁目7番35号
■ 資本金159億35百万円
■ 従業員数958名(2014年3月31日現在)
■ 業種小売
■ ホームページ

http://www.xebio.co.jp/

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