2015.03.31 Tue

世界一のパティシエは、世界平和のレシピを描く

株式会社スーパースイーツ 代表取締役 辻口 博啓 氏

 東京・自由が丘の「モンサンクレール」をはじめ、コンセプトの異なる12ブランドを展開する辻口博啓。世界にその名を轟かせるパティシエに、スイーツへの思いなどを聞いた。

 

和菓子屋の跡継ぎが洋菓子に目覚めたワケ

 日本を代表するパティスリー(洋菓子店)が軒を連ねる東京・自由が丘。この街を、日本のスイーツの“聖地”とも呼べるまでの存在にしたのが辻口の店「モンサンクレール」と言って過言ではないだろう。

 元々老舗の洋菓子店が居を構える自由が丘に、辻口がモンサンクレールを開店したのが1998年。国内外の洋菓子のコンクールで数々の賞を受賞した辻口の手によるケーキや焼き菓子、パンやショコラなど、さまざまな種類のオリジナルスイーツが味わえることから大人気店となった。

 辻口は現在、世界初のロールケーキの専門店「自由が丘ロール屋」やチョコレート専門店「ル ショコラ ドゥ アッシュ」など、コンセプトの異なる12ブランドを展開中。昨年12月にはモンサンクレール初の海外店舗を韓国・ソウルにオープン。さらに、3月30日からスタートしたNHKの連続テレビ小説「まれ」の製菓指導も担当している。その勢いは未だ止まりそうにもない。

 今や世界を代表するパティシエに名を連ねる辻口だが、実は実家は和菓子屋だ。1967年、石川県七尾市の和菓子屋「紅屋(べにや)」の長男として生まれた辻口は、新鮮な魚介類、清廉な水、搾りたての牛乳など、豊かな自然と食環境のもとで育った。和菓子屋の三代目として、当然のように将来は和菓子職人になることを考えていた辻口だが、洋菓子職人を志すようになったきっかけは、小学校3年生の時、友人の誕生日会で生まれて初めて食べたショートケーキだった。

「あまりにも美味しくて夢中になって食べてしまい、気づくとお皿をなめていました。友達のお母さんから『辻口くんの家にはこんなにおいしいお菓子はないでしょ?」と言われてとても悔しかったのですが、ピカピカのお皿を目の前にして今さら『うちの和菓子の方が美味しい』とも言えませんよね(笑)。

 ただ、悔しさよりも、こんなに美味しいものが世の中にあるんだと知ることができた喜びのほうが大きかった。もちろん和菓子も美味しいのですが、それまで自分がまったく食べたことのない世界観でしたからね。この感動を誰かに伝えたい、自分でも作ってみたい、というのが将来の夢へと変わっていきました」

 しかし、最終的には家業を継ぐという意思に変わりはなかった。父親が和菓子をつくりつつ、同じ店で自身は洋菓子をつくればいい、そんな将来像を描いていたのである。そんな思いを抱きながら高校を卒業すると、東京の洋菓子店へと修行に出た。

 ところが、上京してわずか2ヶ月後、実家の和菓子屋が倒産してしまう。急遽、故郷に呼び戻された辻口には、親がセッティングした地元企業の面接が控えていた。… 続きを読む

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辻口 博啓(ツジグチ ヒロノブ)
1967年、石川県生まれ。洋菓子の世界大会に日本代表として出場し、数々の優勝経験を持つ。1998年に東京・自由が丘でオープンしたパティスリー「モンサンクレール」をはじめとしたコンセプトの異なる12ブランドを展開するほか、一般社団法人日本スイーツ協会代表理事を務め、スイーツを日本の文化にすべく「スイーツ検定」など実施している。近年は砂糖不使用のチョコレートなど健康に配慮したスイーツの開発にも尽力する。

株式会社スーパースイーツについて
■ 事業内容1.エデュケーション事業、2.メディアプロモーション事業、3.マーチャンダイジング事業
■ 設立年月2008年1月
■ 本社所在地東京都目黒区自由が丘2-3-8
■ 資本金4,000万円
■ ホームページ

http://www.super-sweets.co.jp/

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