2015.03.24 Tue

GEの“金融マン”社長が歩んだ成功と危機の道

日本GE株式会社 代表取締役 GEキャピタル社長兼CEO 安渕 聖司 氏

 発明王トーマス・エジソンによって1878年に創業したGE(ゼネラル・エレクトリック)。日本GEの代表取締役であり、GEの金融部門であるGEキャピタルの社長兼CEOを務める安渕聖司に話を聞いた。

 

金融サービスだけでなく、金融を超えた付加価値も提供

 GEといえば、航空エンジンやガスタービンから医療機器まで、さまざまな事業を手がける世界最大のコングロマリット(複合企業)である。そのGEグループの金融部門であり、日本国内でも30を超える拠点を展開しているのが、GEキャピタルだ。

 GEキャピタルの事業は、設備や資産のリース、自動車リースや車両管理といった金融サービスが中心。世界最大級の金融機関として顧客それぞれのニーズに合ったファイナンスを提供するほか、現在はさらに、金融サービスを超えた成功のノウハウを提供する「アクセスGE」という企業の成長支援プログラムにも力を入れている。

 安渕はアクセスGEについて、「発明王エジソンをルーツとする『モノづくり』の伝統、世界で培ってきた専門性、そして経営に関する豊富な経験など、GEの持つすべてを駆使することで、金融という枠を超えたパートナーとして事業成長がサポートできると考えています」と説明する。

 

三菱商事とハーバードで磨いた“金融と経営のプロフェッショナリズム”

 今でこそGEキャピタルのトップに立つ安渕は、生え抜きというわけではなく、2006年から同社に入った、言わば“中途入社”組。だが、若いころから視野を海外に向けていた。

 日本の大学に通っていた安渕は、在学中から留学すること、海外で働くことを思い描いていた。大学を卒業後の1979年には三菱商事に入社し、入社7年目にしてロンドンへ初の海外赴任を経験。そして入社10年目にハーバード大学大学院に留学し、当初から思い描いていた夢を早くも実現させた。

 ハーバードでMBAを取得して1990年に帰国すると、M&Aアドバイザリー部門で、顧客企業の成長戦略を金融面から支援する。この頃から安渕は、“金融のプロとして生きていく”ことを強く考えるようになる。

 やがて1995年、三菱商事が出資していたアメリカの投資ファンド、リップルウッド・ホールディングスの日本上陸計画が持ち上がった。この話を聞いた安渕は、自ら計画に携わるべく手を挙げたのである。

「投資ファンドというのはどのような事業なのか興味がありました。知識としては知ってはいても、やはり中に入って直接経験してみなければ本質はわかりませんから」

 安渕は自身が見込む内外の人材に声をかけるなど陣容を整えて、1999年に米リップルウッドの日本法人であるリップルウッド・ジャパンの設立に参画、同社のエグゼクティブ・ディレクターに就任した。このファンドの活躍は、1998年に経営破綻し日本政府により一時国有化されていた旧・日本長期信用銀行を新生銀行として生まれ変わらせるとなどの大型プロジェクトでよく知られるところである。

 

小泉民営化の一翼を担い、海外投資家との橋渡し役に

 安渕が次に目を向けたのが、インベストメントバンク(投資銀行)だ。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

安渕 聖司(ヤスブチ セイジ)

1955年生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、三菱商事株式会社入社。企業財務や貿易金融などに従事し、その間ハーバード大学経営大学院を卒業、経営管理学修士(MBA)を取得。株式会社リップルウッド・ジャパン、UBS証券会社勤務の後、GEコマーシャル・ファイナンス・アジア副社長、GEコマーシャル・ファイナンス・ジャパン社長兼CEO、GEフィナンシャルサービス株式会社代表取締役社長兼CEOなどを経て、2010年1月より日本GE株式会社代表取締役GEキャピタル社長兼CEOに就任。

日本GE株式会社について
■ 事業内容法人向け金融サービス
■ 設立年月1999年9月(日本GE株式会社)
■ 本社所在地東京都港区赤坂5-2-20 赤坂パークビル
■ 資本金300億円(2013年12月末現在)
■ 従業員数約1,550名(2013年12月末現在)
■ ホームページ

https://www.gecapital.jp

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter