2015.02.10 Tue

ココイチ創業“変人経営者”が語るお客さま第一主義

株式会社壱番屋 創業者特別顧問 宗次 德二 氏

年間5,637時間労働!ハードワークは経営者の“特権”

 “ココイチ”の愛称で知られる「カレーハウスCoCo壱番屋」(以降、「ココイチ」)の1号店が名古屋市郊外に誕生したのは、1978年1月。それから37年、同店を管理・運営するする株式会社壱番屋は右肩上がりの成長を遂げ、2005年には東証および名証で一部上場を果たした。現在の店舗数は国内1,262店・海外139店の計1,401店(2014年12月末現在)。

 全世界の店舗売上高は900億円に迫る勢いだ。家庭料理の代表メニューとも言えるカレーながら、創業以来一度も値下げせず、外食産業としては異例の客単価800円以上という高価格帯を維持。それにもかかわらずお客さまの支持を受け飛躍的な成長を遂げた壱番屋の存在は、フードサービス業界の“七不思議”の一つと言われる。

 この企業を立ち上げ、軌道に乗せた創業者が宗次德二(むねつぐとくじ)だ。『日本一の変人経営者』という著書もある、自称“変わり者”の企業家である。

「私の人生は極端そのもの。映画や音楽鑑賞といった趣味はもちろん、経営者同士の集まりや接待などには見向きもせず、壱番屋の経営に全身全霊を捧げてきました。私生活と呼べるものは一切ありませんでしたが、お客さまやお取引先、社員さんの期待に応えるためには、当たり前のことだと考えていました」

 宗次のハードワークぶりは広く知られている。1996年には「一年間休みなく働く」と宣言し、言葉通りこの年一日も休むことなく5,637時間働き切った。一日当たりの労働時間は15時間半にも及ぶ。長時間労働が問題になる昨今では糾弾されかねない数字だ。

「社員さんはもちろん別ですが、経営者はいくら働いても労働基準法には引っかかりません(笑)。経営者にとって、ハードワークはいわば特権なのです」

 そんな仕事一筋の男が、2002年53歳の時に経営の第一線からすっぱりと身を引く。現在、「創業者特別顧問」という肩書きを持つ株主ではあるものの、壱番屋の経営には口出ししないと決めている。

 

“お客さま第一主義”を徹底して貫く

 宗次の話し振りと物腰はおだやかで優しい。しかしその印象とは異なり、自身の生い立ちは相当に悲惨なものだった。幼少時代は児童養護施設で育ち、3歳で引き取られた養父母の下では父のギャンブル癖に悩まされ、15歳まで電灯もない家に暮らした。豆腐屋を営む同級生の家でアルバイトを始めたのが、中学2年生の時。高校からはすべて自分の力で生きてきた。

 「中学を出るまでに、人の一生分の苦労はした」と語る宗次に、「ココイチ」へ至る道は突然現れた。… 続きを読む

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宗次 德二(ムネツグ トクジ)
1948年石川県生まれ。高校卒業後、不動産業を経て1978年に「カレーハウスCoCo壱番屋」を創業。1982年株式会社壱番屋代表取締役就任。2002年にすべての役職を退き、現在NPO法人「イエロー・エンジェル」理事長やクラシック専用「宗次ホール」代表などを務める。『CoCo壱番屋 答えはすべてお客さまの声にあり』など、著書多数。

株式会社壱番屋について
■ 事業内容カレーハウスCoCo壱番屋、バスタ・デ・ココ等の店舗運営・業務管理
■ 設立年月1982年7月
■ 本社所在地愛知県一宮市三ツ井六丁目12番23号
■ 資本金15億327万円
■ 従業員数731名(2014年5月末現在)
■ 業種フードサービス
■ ホームページ

http://www.ichibanya.co.jp/

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