2014.12.16 Tue

「銀のさら」快進撃を支えた“怒らない経営”

株式会社ライドオン・エクスプレス 代表取締役社長兼CEO 江見 朗 氏

宅配寿司シェアトップの強みを生かし「複合化戦略」を展開

 宅配寿司チェーン「銀のさら」を中心として、宅配御膳「釜寅」など585以上の店舗を全国に展開するライドオン・エクスプレス。銀のさらは宅配寿司業界で約45%のシェアを占めており、同社はこの強力なブランドを核としながら、同一店舗内で複数のブランドを展開する「複合化戦略」により急成長を続けている。

 社長の江見朗は、複合化戦略の意義についてこう説明する。「複数のブランドの商品を、同じ店舗でつくり、同じ人間が同じバイクで配達することで、1店舗あたりの収益の最大化を図ることができます。デリバリー事業というのは人件費のコントロールがとても難しいのですが、複合化により1人あたりの生産性を上げることで、そうした弱点も克服できるのです」

 シニア向けの配食事業である「銀のお弁当」は、こうした既存の宅配インフラの強みを生かした新たな業態への挑戦でもある。一般的な宅配サービスは、工場で大量生産した弁当を広いエリアに配達するという形態なのに対し、同社の場合は近所の店舗から作りたての弁当をすぐに配達できるというアドバンテージを有する。

「銀のさらのネタである鮮魚を用いて寿司メニューを提供するなど、当社ならではの特徴を最大限に活かしています。こうしたことは、鮮魚を扱えるほどの厳密な衛生管理が可能なインフラとノウハウがあってこそ実現できるのだと自負しています。シニア向けのお弁当の宅配は、潜在的な市場が大きいですし、社会的にも意義のある事業なので、これからの当社の事業の柱の1つと位置づけています」

 事業の拡大と合わせて、昨年12月には東証マザーズへの上場を果たした。まさに多忙を極める江見だが、毎週末には家族がいる故郷の岐阜へと帰り、家族と憩いのひとときを過ごすことを何よりも楽しみにしている。

「私にとってはむしろ岐阜から東京へと“通っている”感覚です。週末は2人の子どもたちにねだられて外食することが多いので、あっちでもこっちでも外食や中食から離れられません(笑)」

 

単身渡米し、寿司を握る楽しさを発見する

 故郷への強い愛情を持つ江見だが、青年時代には岐阜を飛び出して単身アメリカへと渡った経緯を持つ。地元の進学校を卒業した江見は大学には進まず、3年間のアルバイトで350万円ほどの資金をつくり、語学学校への留学というかたちでロサンゼルスに渡り一人暮らしを始めたのである。

「海外でさまざまな仕事を見てから自分にとって一番大事な仕事を見つけたいという理由が半分、あと半分は多分逃げていたのかもしれません。高校からそのまま大学に進学したとして、自分には普通に就職して自己実現できるという自信がありませんでしたから」

 アメリカでたまたま始めた仕事が、寿司職人だった。当初はあまり気乗りせずに働いていたものの、フレンドリーなアメリカ人客と対面しながら寿司を握るうちに、次第に仕事が楽しくなっていった。

「ある時から仕事中に時計を見なくなりました。仕事とオフとの境界線をあまり意識しなくなっていたんですね。私にとってそれまで経験したことのない感覚でした」

 7年半ほどアメリカに滞在するうちに現地にすっかり溶け込み、永住まで考え始めていた江見だったが、長男ということもあり故郷へと呼び戻される。… 続きを読む

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江見 朗(エミ アキラ)
1979年、岐阜県立岐阜高校を卒業したのち、単身ロサンゼルスへ渡米。現地で寿司職人として7年半を過ごし帰国後、岐阜市内のショットバーで松島(現取締役副社長兼COO)と運命的な出会いを果たす。意気投合した2人は1992年に岐阜市内でサンドイッチ店「サブマリン」を開業。その後、1998年に創業した宅配寿司専門店(のちの「銀のさら」)を宅配寿司業界NO.1企業へと成長させる。

株式会社ライドオン・エクスプレスについて
■ 事業内容フードデリバリー事業の運営及びフランチャイズチェーン店の加盟募集・指導業務、「リトルアーティスト」の制作・販売
■ 設立年月2001年7月
■ 本社所在地東京都港区三田3丁目5番27号 住友不動産三田ツインビル西館17F
■ 資本金8億3,663万円
■ 従業員数1,969名/うち正社員303名
■ 業種サービス業
■ ホームページ

http://www.rideonexpress.co.jp/

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